RPAは万能ツール?効果の出やすい適用業務

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

2017年に引き続き、RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)市場は大いに活気を見せています。2016年からの1年間でRPA市場はその規模を4倍にも成長させ、各地でセミナーやカンファレンスが頻繁に開催されています。

ミック経済研究所によれば、今後の業務自動化市場をけん引する存在はRPAであり、各ソフトウェアベンダーが続々とRPA市場に参戦しています。

引用:IT Leaders「RPA市場規模は2017年度173億円で対前年比約412%と大幅伸長─ミック経済究所」

皆さんの周囲でも「RPAを導入した」という事例が増えているのではないでしょうか?

ここまで市場が活気づくと一つの懸念点が生まれます。それが、RPAを「万能ツール」として導入し、結果として失敗に陥ることです。実は同じような現象が、2015年頃に「MA (Marketing Automation:マーケティングオートメーション)」というツールで、さらに遡ると2000年代初頭に「ERP (Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング)」というソリューションで起きています。

先進的な海外事例などを受けメリットばかりに目を奪われ、自社への適用度を確認しないまま導入に踏み切ってしまい失敗してしまう企業が出てくるのです。こうした事態を避けるためにも、RPAベンダーがユーザー企業を正しい方向へ導くような啓蒙活動が不可欠です。

そこで本稿では、RPA導入の効果が出やすい適用業務についてご紹介します。RPAは万能ツールではありません。しかし、適切な導入で絶大な効果を発揮することは確かです。今後のRPA導入を視野に入れている企業は、ぜひ参考にしてください。

RPA導入で効果が出やすい適用業務5例

そもそもRPAの仕組みというのは、ユーザーが定義した処理のフローをもとにプログラムが生成され、それを実行することでその業務が自動化されるというものです。なので、RPAの利用が向いている適用業務の条件は主に次のようなものになります。 

  1. 繰り返しの作業が多い
  2. 作業時間は短いが発生量が多い
  3. マニュアルとして構造化しやすい

必ずしも、というわけではありませんが、これら3つの条件に当てはまる業務はRPAによる自動化が可能です。

この3つの条件に当てはまる業務といえば主に「事務作業」です。経理、人事、総務などに多い業務ですね。ここでは、3つの部門に分けて効果が出やすい適用業務例を紹介していきます。

経理部門

≪売掛管理および入金消込業務≫

経理部門に必ず発生する事務作業といえば売掛金の管理と、入金の消込業務です。債権情報に沿って回収予定表を作成したり、入金情報に沿って消込作業を行います。これらの業務は、最小単位で見ると少ない時間で完了する作業ばかりです。しかし、塵も積もればということで、総合的に見るとかなりの時間を費やしていることも少なくありません。

RPAなら、債権情報や入金情報を独自に取得して、回収予定表を作ったり消込作業を自動で実行してくれます。

≪財務諸表管理≫

主に決算期になると作成する財務諸表は、会社のステークホルダー(利害関係者)に対して経営状況を明示するための大切な資料です。正確さがかなり要求される業務のため、作業自体に時間がかかるうえに、二重確認や承認などに時間がかかる場合がほとんどです。

RPAは、ロボットソフトウェアなので与えられた指示を忠実に実行します。なので、正確さが要求される業務に最適であり、活用方法によっては承認フローも回せるでしょう。

総務部門

≪経営レポート作成業務≫

ビッグデータ分析が話題になってから久しく、現在では売上データや販売データなど、様々な情報をもとに経営判断を下している企業は多いでしょう。そこで作成されるのが経営レポートです。各システムから生成されるデータを集計・加工し、分析可能な状態にします。この作業に、多大な時間を費やすケースも珍しくないでしょう。

サーバー型RPAの場合、ひとりのユーザーではアクセスしきれないような複数の業務システムにまたがった業務自動化が可能になります。会計システムや営業システムなど、異なる業務システムを行き来して情報を収集し、それを分析可能な状態まで加工することもできます。

人事部門

≪過重労働者管理≫

コンプライアンス問題が注目される中、従業員の労働時間は最も警戒すべきものです。政府が主体となって取り組む「長時間労働の是正」では、すでに是正勧告を受けたことがある企業も多いのではないでしょうか。「過重労働予備軍」をいち早く察知するためには、月中で各従業員の労働時間を集計し、過重労働になりそうな従業員を検索して、その上司および本人にメールにて通知するというのが一般的です。

この業務は、従業員規模が大きくなるほどに負担が増します。従って、RPAによる導入効果も高くなります。従業員数200~300人規模で月間10時間以上の工数削減はできるでしょう。

RPA導入で優先すべき適用業務とは

ここまで、RPA導入で効果が出やすい適用業務をいくつか紹介しました。何となく自社環境でも適用できそうな業務がいくつか思い浮かんだのではないでしょうか。では、RPA導入で優先して適用すべき業務とは何なのか?以下にその条件をご紹介します。

≪優先すべき適用業務の条件≫

①作業時間が多い業務

1回あたりにかかる業務時間が少なくても、発生件数が多ければ多大な業務時間が生まれます。RPA適用業務として作業時間が多いほど、導入の効果は高いでしょう。

②終業時間を過ぎてしまうような業務

各部門、繁忙期になると終業時間を過ぎても作業を終えられないケースは多々あります。しかし昨今の働き方改革や長時間労働の抑制の流れの中では、残業で乗り切ることも難しくなってゆきます。RPAで自動化することで作業時間を短縮しつつコンプライアンスを維持できます。

③定期的に発生してコア業務を中断する業務

コア業務に集中している際に、定期的に発生することで現在の作業を中断するような業務は生産性を大幅に低下させています。こうした業務では、RPA適用によって削減した作業時間以上の生産性向上が見込めるでしょう。

④業務プロセスが複雑でミスが発生しやすい業務

多くの情報を参照するなど業務プロセスが複雑な作業は、ミスが発生しやすく後々の生産性に響きます。そのためRPA適用で業務効率と正確性を向上すると、高い効果が見込めるでしょう。

RPA適用業務は慎重に選定する

万能なITツールはありません。あくまでツールなので、使い方が非常に重要です。大切なことは、製品が持つメリットもデメリットも正しく認識して活用することです。MAやERPで起きたITツールへの過度な期待が生み出した問題を繰り返さないためにも、「RPAは万能ツールではない」ということを念頭に置いていただきたいと思います。

ただし、正しく活用すれば絶大な作業時間削減効果を発揮します。RPAを適用する業務は、慎重に選定しましょう。

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