なぜRPAの事例は銀行が多いのか

 2018.07.29  RPAチャンネル編集部

RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、パソコン上の作業をロボットが自動で実行し、業務効率を向上するためのロボットソフトウェアです。RPAはサーバーやデスクトップ上にインストールされ、ユーザーが自動化ロボットを開発することで多様な業務を自動化します。

このRPAに関するニュースは、金融機関での活用例や、とりわけ大手銀行での事例が多いことに疑問を持っている方が多いのではないでしょうか?三菱東京UFJ銀行では2万時間、三井住友FGおよび三井住友銀行では40万時間の労働時間削減に成功したと、昨年発表※1※2がされました。

大手銀行各社は2014年から2015年にパイロット版としてRPAを導入したところが多く、2年ほどの運用を経て昨年様々な発表がありました。これによってRPAへの注目度が一気に増し、2017年はまさに「RPA元年」ともいうべき年になったのです。

ただし、RPAの事例が銀行に集中している理由はそれだけではありません。そこにはRPAの特性も関係しています。

RPAが自動化しやすい業務とは?

RPAはパソコン上の作業を自動化するロボットソフトウェアですが、どんな操作も自動化してくれるわけではありません。ここで混同してはいけないのが「AI (Artificial Intelligence:人工知能)」との違いです。

AIは画像認識や自然言語処理といって技術を取り入れて、本来人間が判断するような事柄までコンピューターに任せることができます。しかしRPAにはそうした技術はなく、あくまで人間が指定して作業手順に従って処理を実行するのみです。

そのためRPAが自動化しやすい業務は「繰り返し発生する定型業務」が主になります。これが、RPAの事例が銀行に集中しているもう一つの理由です。

銀行では色々なデータをシステムに転記したりと定型業務が多くイレギュラー業務が少ないという業界です。なのでRPAを広範囲に適用しやすく、非常に高い効果が期待できることからRPA活用が進んでいます。

では、実際にどれくらいのコスト削減に成功しているのか?先に紹介した三井住友FGおよび三井住友銀行の事例を平均月給30万円として計算してみましょう。月給30万円の場合、その人材の平均時給は1,630円です。従って40万時間分の労働時間削減はコストに換算すると6億5,200万円の人件費削減になります。

この成果を2年間の間に出したというのですから、RPAがどれくらい高い効果を発揮するかがわかります。ちなみに三井住友FGおよび三井住友銀行は、今後中期的に1,000億円のコスト削減を目指すと発表しています。

銀行でなくても定型業務は多い?

RPAを導入して高い効果を得られるのは銀行だけかというと、当然そうではありません。金融業以外の業界でも定型業務は多くあり、銀行が特別多いというだけの話です。皆さんが日ごろから手を焼いている定型業務をRPAで自動化することで、高い労働時間削減およびコスト削減効果が期待できます。

たとえばクラウドストレージからのファイルダウンロードは自動化しやすい業務の一つです。クラウドサービスが企業に浸透したことで、クラウドストレージを利活用している企業は急激に増加しました。

総務省が発表した平成28年版の情報通信白書※3によると一部でもクラウドサービスを導入している企業は全体の44.6%。そのうちクラウドストレージを利活用している企業はクラウドメールに次いで多い結果です。

クラウドストレージは保存容量の範囲内ならどんなにサイズの大きいファイルも保管できるというのがメリットであり、これを利用してファイルのやり取りをする企業も多いでしょう。ただし、普段は意識せずともクラウドストレージからファイルをダウンロードするためには、次のような手順を踏まなければなりません。

  1. サイトへアクセス
  2. IDおよびパスワード入力
  3. ログイン
  4. タスクボタンクリック
  5. ExcelのA列をコピー
  6. システムへ貼り付け
  7. チェックボタンをクリック
  8. 検索ボタンクリック
  9. 現地調査ボタンクリック
  10. ダウンロードボタンクリック
  11. 保存ボタンクリック
  12. 閉じるボタンクリック
  13. ×ボタンクリック
  14. ダウンロードボタンクリック
  15. 保存ボタンクリック
  16. 閉じるボタンクリック
  17. タスク検索ボタンクリック

企業がどういったクラウドストレージを利用しているかによっても違いますが、大方十数の手順を踏む必要があります。これがRPAを導入した場合、「指定のフォルダへExcelを格納する」というたった一つの手順で済みます。

1回のファイルダウンロードが5分かかり、1日に10件発生しているなら合計50分。これが毎週3回発生すると月間で10時間もファイルダウンロードに費やしていることになります。年間では120時間です。ここにRPAがあれば、該当従業員1人あたり年間120時間の労働時間削減になり、該当従業員が100人いればそれだけで1万2,000時間の労働時間削減です。

こうして考えると、三菱東京UFJ銀行の年間1万時間の労働時間短縮は、決して遠い目標ではないことがわかります。大切なのは自動化による効果が高い業務を選定し、うまく適用することです。

ソフトバンクの「SynchRoid(シンクロイド)」

ソフトバンクが昨年から新しく提供しているRPAが「SynchRoid(シンクロイド)」です。SynchRoidは開発容易性に優れたRPAであり、情報システム人材のような特別なスキルが無くても自動化ロボットを開発できるのが特長です。

自動化ロボット開発にあたってプログラミングは必要なく、ユーザーはGUIで作業手順をロボットを記録していきます。実際の業務画面と開発フロー画面を2カラム構成で確認できるので、修正も素早く行えます。

大規模かつ複雑な業務プロセスではなく、日常的に発生する定型業務を自動化するにはユーザー部門主体でRPAを運用することが効率的です。その点、SynchRoidはノンプログラミングなのでユーザー部門主体で運用でき、高い効果を発揮します。

さらにソフトバンクではお客様がSynchRoidの運用を内製化できるよう、様々な導入支援や運用支援を提供しています。ソフトバンク自身、RPAを社内運用していることで得たノウハウを余すことなく提供しますので、素早くRPA運用体制を整えることが可能です。

RPAの高い業務自動化効果に期待されている方は、ソフトバンクが提供するSynchRoidおよびRPAソリューションにご注目ください。

※1「三菱UFJ、自動化で1万人分の労働量削減へ 」

※2「三井住友FGと三井住友銀、RPA活用で40万時間分の業務量削減を発表」

※3「 平成28年版 情報通信白書のポイント 第2部 基本データと政策動向」

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