ツールを使った業務の改善

 2018.02.15  RPAチャンネル編集部

ツールを使った業務の改善

業務改善のためのフレームワークの一つとして「ECRS」というものがあります。「ECRS」とは次の4つの要素の頭文字を取ったものです。

  • 「Eliminate」既存業務の何かを取り除く
  • 「Combine」業務を一つにまとめる
  • 「Rearrange」業務の順序・やり方を変更する
  • 「Simplify」業務を単純にする

プロセス変更に対する取り組みを上から順に優先して考えることで、効率良く業務改善を進めることができます。しかしながらECRSのアプローチをとるには、その前提として、業務が可視化されていることが必要です。これがないとECRSの判断をすることはできません。では、まだ業務の可視化ができていないという状況である場合にはどうすればよいでしょうか。もちろん業務の棚卸から始めるのが正攻法であり、理想的でしょう。しかし同時にそれは長い道のりであり、多大なる労力と時間、そしてコストもかかってしまうことでしょう。そこで次善の策として考えていただきたいのがツールの利用です。

今回は、業務改善におけるツールの活用についてお伝えします。

業務改善が求められるワケとは

企業や組織において「業務改善」は終わることのない永遠のテーマともいえるでしょう。企業であれば最終的な目的は利益の最大化です。そのためには、より付加価値を高めて売上を最大化する、より少ないコストでオペレーションを行うということに尽きるでしょう。

とくにコスト削減は様々な取り組みがなされてきました。より少ないコストでより多くのアウトプットをする試みです。工場の生産ラインではより多くの成果を上げてきた企業も、事務作業などの領域ではなかなかうまくいかないことが多かったのではないでしょうか。

しかしながら、働き方改革のプレッシャーや人材確保の難しさが顕著になりつつある現在、いよいよその成果を上げないといけないタイミングになったと言えるでしょう。いかに直線的に業務改善を進めることができるか、大きなチャレンジが必要でしょう。

業務改善の直線的アプローチとは?

企業が実行している業務の中には、よく考えると「無駄な作業」も多く存在するのではないでしょうか。最近では、これまで当たり前だと思われていた「営業日報」という制度に疑問を抱き、廃止する企業も出てきています。CRMなどのシステムが普及すれば、状況はリアルタイムにシステム上で把握できるため、わざわざ別のレポートを作成する意味はなく、時間の無駄と割り切るようになっているのです。しかし、このように代替手段が明確であるということは、ある意味可視化ができているとも言え、「ECRS」の視点で整理すればよいだけとも言えます。一般的には「Eliminate(既存業務の何かを取り除く)」「Combine(業務を一つにまとめる)」「Rearrange(業務の順序・やり方を変更する)」「Simplify(業務を単純にする)」という順に検討し、先の企業では見事に業務を廃止するに至ったわけです。

では、すべてのみなさんがこのような方法ですぐに業務改善できるでしょうか。

現実には、すべての業務やそれにともなう処理、作業というものがすべて把握されている必要があります。そうしなければ、目につく業務だけを吟味しても、ほかのどのような業務に影響が出るのか評価できず、結局判断できないという状況に陥るでしょう。いくら「ECRS」のようなフレームワークがあったとしても活用できなくなってしまいます。

ではまず現在の業務の棚卸から始めましょうとなると、それはそれで長い道のりであり、またその成熟度にも差があるため、すべての業務を同じレベルで把握するのは多大な労力と時間を要することは想像に難くありません。ではどのようなアプローチが現実的でしょうか。

その一つの入り口は、現在の業務をそのままにしながらツールを入れてみることです。

改善効果の高い業務効率化ツール

「業務効率化ツール」と聞いて、皆さんは何が思い浮かびますか?たとえば「グループウェア」が思い浮かぶ方も多いでしょう。確かに、グループウェアを導入すれば、情報共有やコミュニケーションが促進され、効率的なコラボレーションにより業務効率が良くなるということはあるでしょう。しかしここでは、より業務自体を効率化するツールについてご紹介します。

その業務効率化ツールとは「RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」です。正確には業務効率化ではなく「業務自動化」による効率化です。

RPAは、これまで人が行っていた定型業務を自動化し、作業効率を向上するためのロボットソフトウェアです。ロボットといっても頭や腕などの実体はなく、パソコン内で実行するソフトウェアであり、設定した処理のフローを自動的に実行します。

RPAはこれまで活用されているマクロの延長線上にあるものです。しかしながらRPAは、これまでのアプリケーション内のマクロの枠を超え、異なる種類のアプリケーションを横断的に業務の自動化をすることができます。たとえばExcelドキュメント内のデータを集計し、それを加工した上でWebアプリケーションのフォームに転記し、終了したら関係者全員にメールで共有するといった流れです。

RPAによる業務自動化事例を一つご紹介します。

≪A社のRPAによる契約書発行業務自動化事例≫

契約書や請求書などの書類は、案件ごとに違います。従って一見非定型業務のように思えるものの、実はRPAによって自動化できる部分が大きい業務です。A社は保険契約書発行において、案件ごとにテンプレートに沿って項目を入力し、契約書を発行するという業務を自動化しています。

RPA導入以前は月500件の発生に対して48時間の業務量が発生していたのに対し、RPA導入後は30分に短縮されました。

引用:「RPAの導入事例を紹介RPAの導入事例を紹介」

A社のような定型業務はどんな企業にも存在します。業種や部門によっての差はありますが、定型的な作業というはビジネスと切り離せないものです。こうした業務を効率化できれば、かなりの工数削減効果を生み出します。

RPAで上手く業務改善を達成するために

RPAを用いて業務改善を行うにはいくつかポイントがあります。まずは、業務自動化による工数削減効果が高い業務プロセスを選定して、スモールスタートを切ることです。ここでRPAの特長が生かされます。

業務改善の視点では、全体の業務把握から始めなければ適切な判断はできませんが、RPAは個別の作業レベルから効率化できるため、全体の業務フローやシステムの変更を伴わずに導入することが可能です。各作業はフローとして詳細に定義しないと動作しないため、RPAの対象となった処理に関しては完全な把握と効率化を同時に実現可能です。

全体の業務の棚卸を待たずしても、大きな効果を得ることが可能です。

この適用範囲をひろげてゆくと、それぞれの処理単位で標準化と効率化が進められ、結果として処理間のつながりやボトルネックになっている処理、不要なプロセスなどが見えてくるでしょう。

理想的には現状把握の上流工程から順に行うことも重要ですが、一方ですぐにできる対策を後回しにしてしまうことはもったいないことです。まだ業務の把握が十分になされていない段階であれば、RPAはそのために非常に適したツールです。このアプローチを成功させるには、ユーザー部門が主体になる仕組みでもあるため、導入時のサポート体制も重要です。たとえばソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」では、導入時トレーニングや検定試験の実施、開発エンジニアの派遣などを行っています。こうしたサポート体制を重視して製品選定することも、RPAで業務改善を達成するための重要なポイントです。

まずは、RPAの得手不得手などの特性を理解し、製品ごとの開発インターフェースを知っておくことも大切です。RPA活用は「アイディア次第」という部分も大きいため、活用方法を理解し、自社に上手く適用させることで大きな業務改善効果を得ることができます。

業務改善というと、業務の把握から始めて分析し、という手順が王道であることには変わりありませんが、逆にRPAのようなツールを導入して現状の作業を効率化しつつ把握してゆくということも可能でしょう。まずできることから始めるということからスタートし、最終的な業務改善を目指してみるのもいかがでしょうか。

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