労働時間の定義をおさらい

 2018.07.29  RPAチャンネル編集部

働き方改革の施策の一つとして「長時間労働の是正」は、「働き方改革実現会議」が発足したときから上げられている重要な課題です。日本では従来から36協定を結ぶことによって所定外の労働を行うことができ、その結果長時間労働によって過労死することが後を絶たず、社会問題にもなっています。

さて、ここで皆さんにお聞きしたいのは「労働時間の定義をご存知ですか?」ということです。一般的に「労働に費やす時間」と認識しているであろう労働時間は、一体どこからどこまでが労働時間なのか?どれくらい働くことが普通なのか?法で定められている残業時間はどれくらいか?など、詳しく知っているという方は少ないかと思います。

そこで今回は、労働時間の定義をおさらいした上で労働時間を削減するためのRPAについてご紹介します。

労働時間ってなに?

実は「労働時間」というものは法令によって明確に定義されていません。そのため、様々な判例からその定義を理解する必要があります。一般的な定義としては「労働者が所属する組織の社長や上司に指揮命令される状況下において、会社のために就労しなければならない時間」です。

ただし「指揮命令される状況下」というのもなかなか曖昧なもので、やはり判例ごとに見解が分かれるというのが現状です。ですので、「労働時間に明確な定義はないが通説はある」とご理解ください。

ではこの通説に従って考えた場合、1日の規定労働時間とは何時間なのでしょうか?これは皆さんもご存知のように1日に就労してもよい労働時間は8時間です。さらに1週間の規定労働時間は40時間なので、たとえ1日8時間の労働時間を遵守していても毎日のように労働してもよいわけではありません。

このように法令で定められた労働時間を「法定労働時間」と呼びますが、これに対して会社で定めた労働時間を「所定労働時間」を呼びます。

所定労働時間は会社で定めたルールなので、従業員は法定労働時間よりもこれを遵守する義務があります。ただし、雇用者は労働基準法によって定められた労働時間を遵守する必要があるため、所定労働時間は法定労働時間の範囲内で決められるのが通常です。

しかし中には、法定労働時間を遵守することが難しいケースがあります。商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業についてはその特徴から法定労働時間を遵守することが難しため、「特例措置対象事業場」として1週間に44時間の労働が認められています。

残業とは?休憩とは?

労働時間と合わせて知っておきたいことが残業時間(時間外労働)と休憩時間についてです。

まず残業時間についてですが、そもそも残業とは法定労働時間を超えて労働する場合に発生する特殊労働範囲です。通常の労働とは違うため、雇用者は労働者に対して通常以上の労働対価を支払う必要があります。つまり賃金を割増しなくてはならず、これは通常賃金の1.25倍になります。さらに残業時間が1ヵ月で60時間を超えた場合は、割増賃金を1.5倍にしなければなりません。

通常、残業時間は1ヵ月に45時間を超えてはならず、1年間に360時間を超えてもいけません。そうすると先に説明した「1ヵ月で60時間を超えた場合は割増賃金を1.5倍」がおかしな話になってしまいますね。

これは、労働基準法によって定められた残業時間(1ヵ月45時間、1年間360時間)を超えた場合、36協定(サブロクきょうてい)の特別条項によって残業時間の上限を拡大することができるからです。ただし、36協定の特別条項によって延長できる残業時間はあくまで「突発的に発生するもの」であり、1ヵ月45時間以上の残業時間が恒常的に発生していると法令違反になります。

次に休憩時間いついて説明しましょう。休憩時間の定義は「労働者が労務を離れて心身共に回復するための時間」です。労働基準法では休憩時間に関して1日6時間以上の労働には最低45分、8時間以上の労働には最低1時間の休憩を取らなければならないと規定しています。ただし管理監督者にあたる従業員に関しては、この休憩時間の規定は適用されません。

休憩時間には次のような「三原則」が存在します。

  • 途中付与の原則

休憩時間は労働時間の途中となる時間に与えなければいけません。労働時間の開始や終了に休憩を与えることは禁止されています。

  • 一斉付与の原則

労働時間はすべての従業員に対して一斉に与えなければなりません。ただし、次の条件に該当する場合は例外です。

  • 自由利用の原則

労働者は休憩時間を自由に過ごさなくてはならず、雇用者はこれを侵害してはいけません。ただし坑内労働や警察官、乳児院や児童養護施設などの施設内に居住する場合は例外であり、自由利用をさせなくても差し支えないとされています。

労働時間を削減する方法とは

ここまでの説明のように、労働時間には様々な規定があり雇用者も労働者もそれを遵守する義務があります。これらの法令に違反すると企業は罰則を受けることになります。しかし、だからといってすべて規定通りに労働時間を管理できている企業は少ないでしょう。

特に中小企業では、仕事が多ければ少ないリソースで回さなければいけませんし、それによって長時間労働を生んでしまうこともあります。そこで、「長時間労働の是正」の一手として注目されているのがRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)です。

RPAは簡単に言い表すと「自動化ロボット」であり、企業にある様々な業務を代替するためのソフトウェアです。ロボットといっても実態があるわけではなく、あくまでソフトウェアなのでサーバーやパソコン内に存在しています。

具体的にどういった仕組みかというと、自動化ロボットがパソコン上の作業手順を記録して、その手順に沿って自動的に処理を行います。皆さんはExcelマクロを使用したことがあるでしょうか?これは、Excel内の作業を記録し、繰り返し同じ作業を行うための機能です。

このExcelマクロと同じように作業手順を記録して、ユーザーが実行したタイミングや定期的に記録した作業を行ってくれます。ただしRPAはExcelマクロのように特定のアプリケーションに限定されたものではなく、様々なアプリケーションをまたいで自動化を実行できるのが最大の利点です。

たとえばExcel内でデータを集計、グラフを自動的に作成した上でそのファイルをクラウドストレージに自動でアップロードしたり、関係者全員のメールで送信したりなど様々な自動化を実行できます。

企業にある業務の大半はマニュアル化によって一定の手順を与えられるものです。そのうちパソコン上で行う作業ならば、RPAはそのすべてを自動化します。なのでRPAを活用すれば労働時間を削減することは容易であり、中小企業でも1ヵ月に100時間以上の労働時間削減は難しくありません。

まとめ

この機会に、長時間労働の是正において残業禁止などを強制するのではなく、RPAによる労働時間削減を検討することが重要です。RPAなら無理なルールを作ることなく長時間労働の是正が可能なので、本質的な労働改善が行えます。

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