人件費が固定費であることのデメリット

 2018.10.01  RPAチャンネル編集部

企業が消費するコストには“固定費”と“変動費”という2つの分類があります。固定費とは売上の増減に関わらず発生する費用のこと。変動費とは、売上の増減に影響される費用のことです。経営活動で最もコストがかかる人件費はというと、固定費に分類されます。

今回は人件費を削減する方法について、固定費の話を絡めてご紹介します。

固定費と変動費

改めて固定費と変動費について整理しましょう。この2つの性質を理解するために、あなたは今ハンバーガーショップの経営者であると仮定してください。

ハンバーガーショップを経営するためにかかる主な固定費は人件費、テナント賃料、水道光熱費、調理器具費、調理設備費などです。いずれの項目もハンバーガーの売上に関わらず発生するものであり、ハンバーガーがいくら売れてもこれらの費用に変動はありません。

一方変動費に関しては、原材料費、仕入れ原価、販売手数料、消耗品費などが該当します。これらの項目はハンバーガーの売上が上がるのと比例して費用も増加していき、反対にハンバーガーの販売個数が少なければ費用が減少していきます。

人件費を削減するためにはまず、固定費と変動費の違いを理解しておくことが大切です。

ちなみに今回の内容には直接的に関係はありませんが、固定費は販売収益に応じて原価が下がるという傾向があります。たとえば1個100円で販売しているハンバーガーの粗利が70円として、原価は30円。そのうち固定費と変動費がそれぞれ半分ずつを占めているとします。

このハンバーガーを1,000個販売すると変動費は15,000円になりますが、固定費も15,000円になるわけではありません。固定費は売上の増減に関わらず変動しない費用ですので、販売個数が増えるごとに原価としての割合が少なくなっていきます。

ただし、これは販売原価を考慮した際の話であって、人件費削減を行うとなるとまた話は違うのでご注意ください。

固定費のデメリットとは?

固定費は前述のように、売上の増減に関わらず一定の費用のことです。人件費は固定費に含まれます。先ほどのハンバーガーショップの例で言えば、販売個数が増えるごとに原価が下がっていくので、固定費には一見メリットがあると感じます。ただし状況によっては固定費にもデメリットがあります。

その最たるデメリットが“損益分岐点を押し上げている”ことです。損益分岐点とはビジネスにおいて損失が無くなり、利益が発生するポイントを指します。このポイントは売上で表す場合と販売個数で表す場合があり、それは企業によって異なります。

たとえば損益分岐点が売上1,000万円だとすると、単純に考えて売上950万円では50万円の赤字になり売上1,050万円なら50万円の黒字になります。つまり損益分岐点が低いほど利益が発生しやすく、高いほど利益を生むことが難しくなります。

なぜ固定費が損益分岐点を押し上げてしまうかというと、売上に関係なく最初から一定の費用がかかるからです。そのため短期的に利益を生み出すことが難しく、固定費中心のビジネスでは最初から高い損益分岐点が設定されてしまいます。

それに対して変動費中心のビジネスは売上によって費用が変動するので早期の段階で利益を生むことができ、かつ売上が下がっても急激な赤字になることはありません。ただし、固定費中心のビジネスのように劇的に高い利益を生み出すことは難しくなります。

では、固定費と変動費、削減するならどちらの優先すればよいか?これは間違いなく固定費です。売上の増減に影響されない固定費は、削減したからといって売上に大きな影響をもたらしません。ですので、コスト削減を検討する際はまず人件費などの固定費に着目してみましょう。

人件費の削減方法

「人件費削減とは言ったって、うちにカットできる人材はいないよ!」という意見も多いでしょう。人材不足問題が叫ばれていたり市場競争が激化している現代社会において、確かに人材カットは難しい問題です。ならば、人件費を削減せずに生産性を高めることを考えましょう。その方法は3つ、新しいITシステムを導入するか、クラウドを活用するか、業務改善を行うかです。

ITシステムの導入

ビジネスパーソンは普段、何気なく経理システムや営業システムなどのITシステムを使用しています。それらのITシステムは何のために存在しているかというと、業務効率を向上するためです。ならば、新しいITシステムを導入することでその要員を別の生産的な業務に充当することができるでしょう。シンプルながら効果の高いこの方法で業務効率が向上すれば残業時間は少なくなり、実質的な、人件費の費用対効果が上がります。

クラウドの活用

中小企業も大企業も、誰もが必要としているのが“クラウド”です。インターネット経由で提供されるサービスの数々は、初期コストと運用コストを削減しつつ組織の労働生産性を向上するために活躍します。さらにクラウドを活用することでワークスタイルに多様性を生み出し、従業員1人1人に合った働き方を提案できます。それによって業務効率が向上すれば、ITシステムの導入と同様に、生産性を向上し、人件費の費用対効果を上げるでしょう。

業務改善による効率化 

企業には一つのビジネスを完成させるために様々な業務が存在します。しかし、それらの業務がすべて完璧とは限りません。業務プロセスに多くの無駄が潜んでいるかもしれませんし、そもそも業務プロセスが曖昧なために成果物にムラが発生する場合もあるでしょう。従業員にとって負担が大きく、残業等をせざるを得ない状況も考えられます。これらの無駄、ムラ、無理をなくすことで業務改善を実現し、業務効率を向上できるかもしれません。最近では業務改善のために “BPM(Business Process Management)” に取り組む企業が増えています。

これらの方法の中でも特に有効的なのがITシステムの導入です。コストはかかりますが即効性が高く、運用次第によって生産性の劇的な向上と高い人件費削減効果が見込めます。

RPAで人件費削減!

数あるITシステムの中でも生産性向上による人件費の費用対効果の向上といった効果を出しやすいのが“RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)”です。これはパソコン上で行う定型作業を自動化するためのロボットソフトウェアであり、自動化ロボットを自由に開発することであらゆる業務をロボットが自動的に実行する環境を整えられます。

たとえばExcelドキュメントでマクロ機能を使用し、データをグラフにまとめたりそのデータは別のシステムに転記したり。PDFとして出力したファイルをクラウドストレージにアップロードしたり、ダウンロードしたり。関係者全員に資料をメールで共有したり、これらの作業を一貫したプロセスで自動化可能です。

マクロ機能のように特定のアプリケーションには依存せず、複数のアプリケーションをまたいだりクラウドも含めて総合的な業務自動化を実現できます。RPAによって労働時間を大幅に削減できれば、実質的な人件費削減になり、かつ人材カットをせずに新しいリソースを生み出すことが可能です。

人件費の有効活用や生産性向上を目指す際は、ぜひRPAにご注目ください。 

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