VBAマクロだけで大丈夫?業務効率化のポイント

 2018.02.15  RPAチャンネル編集部

VBAはプログラミング言語の一つで、おもにMicrosoft Office製品内で実行するマクロを記述するために使用されています。マクロは簡易なアプリケーションの実行を可能にするもので、Office製品内で実行することが可能です。中でも、もっともよく使われるのはExcelではないでしょうか。マクロを使用すれば、セルの関数では対応できないようなデータ集計作業やフォームの作成作業などを自動化して、ミスなく業務効率を向上できます。

本稿を読まれている方の中には、実際に活用されていて、「業務効率化といえばExcelのマクロ」という方も多いのではないでしょうか。

事務作業の自動化など業務時間短縮効果のあるExcelマクロですが、最近ではExcelマクロだけでは効率化の範囲が限定的で十分な効果が出ないということも増えているのではないでしょうか。

さらなる効率化が必要な理由

日本社会の大きな課題になりつつあること、それが「本格的な人材不足」です。

日本は現在、世界で最も高齢化率の高い国であり、人口減少は深刻な社会問題です。このままの推移でいけば2053年には人口が1億人を割れ、労働人口はどんどん減っていきます。

参考:グローバルノート「世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国際比較統計・推移」

日経電子版「人口、2053年に1億人割れ 厚労省推計、50年後8808万人 働き手は4割減」

特に中小企業においては、業種を問わず人材不足の傾向が統計上も強くなってきています。これまで利用されてきているExcelなどでのマクロを用いた業務効率化では、個々人の個別の作業を効率化することはできました。しかしながら、現在の状況により、さらに抜本的な効率化を要請されてきており、もう一段進んだ効率化が求められています。

そのためのソリューションとして、RPA (Robotic Process Automatio:ロボティック・プロセス・オートメーション)がいま非常に注目されています。今回はRPAによる業務効率化について、詳しく解説します。

Excelマクロではなぜ足りないのか?

Excelマクロ自体は大変すばらしい機能であり、多くの組織で活用されていると思います。簡易的なアプリケーション開発環境なので、IT技術者だけでなく一般従業員でも対応できる人が周りにいるのではないでしょうか。業務部門には一定のExcel達人のような人がいて、関数やマクロを駆使してかなり効率的な作業を周囲の人たちに提供しているようなケースも多いでしょう。

しかし、この状況では2つの課題があります。

1点目は、マクロの実行範囲が基本的にはOfficeなどのアプリケーションの範囲にとどまるということです。一般的な業務で使用するアプリケーションはOfficeアプリケーションにとどまらないのが一般的です。業務に必要なアプリケーションはWeb化され、そこで使用するデータをOfficeアプリケーションで作成や編集するということが多いのではないでしょうか。つまり、マクロで自動化できるのは個々の作業のレベルなので、その成果物を次のプロセスに入力したり、そこから別のデータを持ってきたりというのが難しいので、結局個別の作業の自動化レベルにとどまってしまうことです。作業と作業をつないで一連の業務の自動化というのが難しいため、効率化には限界が出てしまいます。

2点目は属人性です。マクロはIT部門ではなく、各業務部門のExcel達人の方々によって支えられているケースが多くみられます。しかし、この方々が異動されたり退職されたりすると、そのマクロの保守が事実上不可能になることも多いのが現状です。複雑な作りこみをしているほど、ほかの人には解読が難しく、たとえば条件分岐を一つ追加したいだけでもどのような影響が出るのか分からず、触れなくなってしまうということはよくあるでしょう。

このような状況になってしまうと、業務の効率化どころか、支障が出かねません。継続性という観点でも潜在的な課題を持っています。

このような状況は規模や業種を問わずに当てはまります。特に大企業では働き方改革の号令のもと、労働時間短縮を実現してゆかなければなりません。一方、中小企業では以前にも増して人材が確保しづらい状況です。このような状況では、作業レベルの効率化から一歩進んだ業務レベルの自動化と、属人化しないだれでもメンテナンスできるようなソリューションが必要になるのです。

RPAはどう業務効率を上げるのか

では実際に、RPAはどのようにして業務効率化を実現してくれるのでしょうか?そのキーワードとなるのが「異なるアプリケーションをまたいだ自動化」です。RPAは、個別のアプリケーションの中で動作するマクロやスクリプトと異なり、アプリケーションの外側で人の作業と同じ位置で作業を自動化します。

これらを自動化するシステムを開発できないわけではないですが、各アプリケーションの入力インターフェイス、データ構造、APIなどを把握して開発しなければなりません。膨大な工数と費用がかかることも容易に想像できるでしょう。

わかりやすく理解いただくために、RPAを使った事例を紹介します。

≪A社事例.業務委託社員の人事情報登録≫

業務委託社員の受け入れを行うにあたって入館カード発行や研修を実施する必要があります。そのためには、業務委託社員の基礎情報を人事システムに登録しなければなりません。A社ではこの作業が月に1回40時間の業務量が発生していました。

RPAを導入したA社が自動化した作業は「業務委託社員の各種情報が記載されたExcelを開く」「対象者の情報を人事システムに入力(転記)する」です。これまで手作業で行っていた2つの業務をRPAにて自動化したことで、月1回40時間発生していた業務量が13時間まで減少し、68%の工数削減効果を得ました。

引用:「RPAの導入事例を紹介」

A社の事例では「業務委託社員の各種情報が記載されたExcelを開く」「対象者の情報を人事システムに入力(転記)する」という2つの業務をRPAによって自動化しています。それだけで月27時間の工数削減というのですから、いかにRPAが業務効率化に有効かわかります。

また、転記の際のミスなども防ぐことができます。

ここで注目いただきたいのは「たった2つの業務にどれくらいの作業が発生しているか」です。Excelを開く、システムに入力するという2つの業務には次のような多数の作業が存在します。

パソコン起動>業務委託社員情報のExcelダウンロード>ファイルエクスプローラー起動>ダウンロードファイルを開く>対象のExcelを開く>人事システムにログイン>情報入力画面を移動>手作業でデータ入力

一見少ない業務に思えても、RPAはこれだけの作業を自動化しています。これなら、月27時間も工数削減できていることに納得していただけるでしょう。

企業にはどうしてもこのような事務作業が発生しますし、その手間は意外と無視できるものではありません。A社の同じ業務ではなくとも、契約書や請求書などの発行業務、給与計算や経費計上など事務作業は無数に存在しています。これらの事務作業をすべて自動化できるとしたら、どれ程の業務効率化が実現できるか想像してみましょう。

皆さんの企業でも手間のかかる事務作業や定型業務があるでしょう。それらをRPAで自動化することで、どれくらいの工数削減効果が表れるかを一度試算してみてください。そこには必ず、Excelマクロでは得られない多大な効果があるはずです。

RPAをビジネスの日常に

以上のように「マクロでの自動化では不十分」な理由とRPAとの違い、およびその効果をお伝えしました。たとえばExcelシート内の集計やフォーマットなどはマクロを活用すればよく、ただその範囲を超えた瞬間に手作業に渡ってしまうという点がこれまでの効率化の限界をもたらしていたのです。大規模なシステム開発を伴わずともアプリケーションをつなげて行けるRPAを導入し、業務全体を自動化することでさらに高次元の生産性を実現させることができるというのは大きな変革です。企業や組織が直面している課題解決への一助としてぜひご検討いただければと思います。

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