事務作業の効率化のお悩み解決

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

Googleで「事務作業 効率化」と検索してみると、ビジネスメールやパソコン作業など、いわゆる毎日の「ルーティン業務」の効率化術に関する記事が数多くヒットします。たとえば「リクナビNEXTジャーナル」では「日々の業務を効率化しよう!事例に学ぶ時間短縮術」という記事にて、「社員1日あたりの労働時間を3.3%削減。労働時間あたりの売り上げは4.6%アップ」を達成したことについて紹介しています。

1日の労働時間の3.3%を削減したということは、8時間労働の場合、15.84分の削減になります。1年に換算すると64.68時間の労働時間短縮です。もちろん、削減した時間の分人件費が安く済んだというわけではなく、生産性が向上したうえに時間あたりの売上が4.6%アップしたそうです。

こうした事例もあり、コスト削減と売上増加のために事務作業の効率化に取り組む企業は多いかと思います。しかし思うように成果が上がらない、そんな状況もあるのではないでしょうか?

リクナビNEXTジャーナルに掲載されている業務効率化事例では、組織の隅々まで協力しあい、全社的に効率化に取り組んだ結果です。それぞれが高い意識を持ち、業務効率化に取り組めれば、それ相応の効果が得られるでしょう。しかしながら業務効率化に取り組む多くの企業では、なかなかこのような全社的な協力は得られないことも多いでしょう。

では、どうすれば事務作業が効率化され、生産性向上が実現できるのでしょうか?いますぐできることはないのでしょうか?

人間は基本的に「変化を嫌う生き物」である

事務作業の効率化にあたって全社的な協力を得られないことがある背景には、人間は「変化を嫌う生き物である」という心理的原因があります。人間関係と家族関係を専門とするセラピストのRoger S. Gil氏によれば、人間には「周囲の世界の仕組みを定義したがる傾向がある」としています。周囲の世界や自分の身に「世界はこうあるべき」という認識が常にあり、それと矛盾したできごとが起きると変化に直面し、それまでの世界観を崩さなければなりません。

そうした「世界観を崩すことへの恐怖」が人間が変化を嫌う理由であり、事務作業効率化における全社的な導入を得るための妨げになっています。事務作業を効率化するということは、現状の業務手順を変えたりシステムを導入することになり、なんらかの変化を伴うのです。

参考:ライフハッカー日本版「人が「変化」を恐れる理由とその対処法」

人間が「変化を嫌う生き物」を教示するような、こんな事例があります。

とある企業は労働基準監督署から「長時間労働の是正」勧告を受け、人事部が主体となって「残業廃止」に取り組んでいました。しかし、営業部はというと朝9時と夕方6時に確実にタイムカードが押されているものの、いつもオフィスの明かりが点いています。疑問に思った人事部長は抜き打ちで営業部に訪れると、社員は通常通り業務を行っており、こっそりと残業していたそうです。

人事部長は営業部長に厳しく注意したものの、営業部長は「営業が稼がないで誰が稼ぐ、残業させたくないなら営業予算を下げてくれ」と逆切れする始末。会社としては、残業廃止にあたって業務効率が改善されるような取り組みはしているものの、営業部は業務が変化することに反発し、こっそりと残業することになりました。この会社では結果として、経営層が厳重注意することで営業部も終業時間を守るようになったそうです。

おそらく、この会社ではたとえ営業予算を下げたとしても、営業部長は何かと理由を付けて変化を受け入れないままだったでしょう。残業廃止のために業務改善された環境を整えていても、人は変化を嫌うのです。  

確実に事務作業を効率化するために

リクナビNEXTジャーナルに掲載されている業務効率化事例では、辞書登録機能を使ってメール作成時間を短縮したり、アシスタントに業務を頼む際のルールを作ったりと、既存業務の改善によるものが多くあります。しかし先述のように、こうした取り組みは全社的な協力あってこそです。

そこで、全社的な協力はなくとも、確実に事務作業を効率化するための方法はないでしょうか?その答えの一つが「ITツールの導入」です。ITツールを導入することで、既存業務を大きく変化させるのではなく、一部ITツールが事務作業を担うことで効率化を実現します。

RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)というITツールをご存知でしょうか?これは、事務作業などパソコン上で行う操作のほとんどを、ロボットによって自動化するというITツールです。ちなみにロボットといってもあくまでソフトウェアなので、パソコンやサーバーにインストールする形で導入します。

RPAがなぜ事務作業の効率化ができるかというと、複数のアプリケーションにまたがって自動化を可能にしているからです。従来の効率化ITツールといば、Excel VBAのように特定のアプリケーション上での自動化を行うようなものでした。それに対してRPAは、Excelドキュメントや自社開発のアプリケーション、WEBアプリケーションなど多様なアプリケーションをまたいだ自動化が行えます。

たとえば営業部にて、新たに訪問した先の顧客情報をExcelドキュメントに記録してそれを営業アシスタントに渡し、システムの入力フォームに沿って情報を記入していくという事務作業があるとします。

ここにRPAを導入すると、顧客情報が記載されたExcelドキュメントを営業アシスタントに送信する作業、営業アシスタントが受信したメールからExcelドキュメントを開く作業、情報入力システムにログインする作業、記載された情報を入力フォームに沿って記入する作業、登録ボタンを押す作業などをすべて自動化できます。

自動化のためにはユーザーがRPAに作業手順を定義し、必要に応じて実行したり、スケジューリング機能で実行時間を決めるだけです。作業手順の定義も、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)をベースにしているので、ITスキルが高くないユーザーでも簡単に定義できます(ソフトバンク提供の「SynchRoid(シンクロイド)」の場合。

このようにRPAのようなITツールを活用すれば、既存業務のフローやシステムを変化させることなく、事務作業を大幅に効率化することができます。

様々な角度から事務作業の効率化を

事務作業には機械的なものが多く、RPA導入による工数削減効果も非常に高い傾向があります。もちろん、RPA導入だけでなく業務プロセスの見直しによる取り組みも必要です。しかし、業務効率化に際し、大規模な業務の変更やシステムの導入は現場の反発を招いたりすることが多いのも事実です。なので、まずは自分たちの範囲でできるところからやる、全体の仕組みは変えずにやる、というアプローチは受け入れられやすいものです。

このようなスタンスでも、適用対象によっては大きな効果をもたらすRPAを、ぜひスモールスタートで育ててみてはいかがでしょうか?

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