業務効率化に欠かせないツールの選び方

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

「働き方改革」や「業務改善」といって名目で、ITツールを導入する企業が増えています。たとえばマーケティング活動を自動化するためのITツールである「MA (マーケティングオートメーション)」は、2016年市場規模が2014年に比べて146%成長の208億円、2022年には現在さらに2倍以上に拡大するという見通しです。

引用:株式会社パワー・インタラクティブ「マーケティングオートメーション(MA)の市場規模は2022年、530億円へ」

MA以外の業務効率化のためのITツールも、軒並み市場規模を拡大し、いかにITツールを活用した「働き方改革」や「業務改善」が浸透しているかが読み取れます。しかし、ITツールを導入したことで「業務効率化を実現した」と考えてしまっていることも多いのではないでしょうか。

IT業界には「システム導入の7~8割は失敗」するという定説があります。ただ、システム導入は「何をもって成功なのか?」という定義が多様なので、一概に成功と失敗を区分できないという前提があります。しかし、それでも主観的にも客観的にも「失敗した」という事例は、恐らく3割程度はあるのではないかと思います。それに対して「システム導入に成功した」という事例が2割程度、残りの5割は「成功とも失敗とも言えない」といったところでしょう。

業務効率化のためのITツール導入においても同様のことが言えるのではないでしょうか。「業務効率化を実現した」と認識していても、たいていは「成功とも失敗とも言えない」事例です。マーケティング部門にMA、営業部門にCRM/SFA、組織共通基盤としてグループウェアなどを導入しただけで、実際の効果測定も不十分で、システムが動けば「業務効率化を実現した」と評価する向きも多いのではないでしょうか。

ここまでの内容で少しでも思い当たる節のある方は、ぜひ本稿で紹介するITツールの選び方を読み進めてください。

【選び方①】何のための業務効率化ITツールなのかを明確にする

何においても「目的を持つ」ということは重要です。例えば一日の業務の中で「今日はこれだけ仕事をするぞ」と取り組むのと、目の前にある仕事に端から取り組むのとでは、生産性が大きく違います。これは目的を持つことで、そこから逆算して物事を考え、計画的に業務を遂行できるからです。

システム導入にしても同じことが言えます。「経理の請求業務にかかる時間を○○時間削減する」という目的を持っている場合と、「経理の請求業務を効率化する」と曖昧な目的な場合とでは、前者の方が圧倒的に効果の高いシステム導入を行えます。

「目的を持つ」ということは、「どんなITツールを導入すればいいか」を明確にすることと同義です。だからこそ、業務効率化ITツール選びでは、まず最初に目的をハッキリとさせることが大切です。

一口に「働き方改革」や「業務改善」といっても様々な切り口やツールがあります。業務効率化ITツールを導入することでコア業務に注力できるようにするのか、あるいは単に作業の合理化のために導入するのか、この辺りを明確にしておくだけでも選ぶべきITツールの方向性が見えてきます。

【選び方②】現状把握で業務課題を見える化する

ITツールを導入して業務効率を向上させるということは、そこに必ず「業務課題」が存在します。業務課題を解決するからこそITツールは意味があり、それによって本来の目的が達成されます。実は明確な目的を持っていても、課題を見える化せずにITツールを導入するケースは多く、それよって「業務効率化を実現した」と思い込んでしまっていることはよくあります。

皆さんの会社でも業務効率化ITツールを導入したことで、上層部は何となく効率化を実現していると思い込んでいても、実際ITツールを使用していなかったり、使っても「面倒になっただけ」と不満を漏らしている光景を見たことはないでしょうか。

業務課題の見える化とそれを解決するための対策無くして、業務効率化ITツールの導入成功はあり得ません。

そこで現状把握をするために、まずは既存業務プロセスの「洗い出し」から行います。具体的には業務量調査などやアンケートを実施した、業務効率化対象となる部門の課題を洗い出していきます。たとえば「2重のデータ入力作業が生じていた」などの重複業務があればそれを排除したり、業務プロセスをもっと簡素化するなどして対応してみます。それでも業務効率化にならず、重要度の高い課題に対してITツールを導入します。

このように、目的だけでなく業務課題をハッキリさせることで、選ぶべき業務効率化ITツールの輪郭だけでなくその全容も見えてくるでしょう。

【選び方③】部門社員と一緒に機能要件を定義する

業務効率化ITツールを導入する際は、情報システムが担当者として選ばれるか、部門社員の誰かが担当者として選ばれることが大半です。その際に必ず行うべきことが、業務効率化の対象になる部門社員と一緒に、機能要件を定義していくことです。

ちなみに「機能要件」とは、導入するITツールにどんな機能が備わっているべきで、反対に何が不要かを定義したものです。機能要件があるとそれに沿って業務効率化ITツールを選定できるため、自社の課題をピンポイントに解決できます。

このときに避けなければいけないことが「IT部門の担当者の判断だけで機能要件を定義すること」です。情報システム担当者は部門業務を理解していないので、当然ながら業務課題に沿った要件定義ができません。部門社員の担当者にいたっても、客観的意見が必要になるため同僚や上司の意見が必要です。また、複数ツールの機能の〇×表をつけて〇が多いほうを選ぶということも避けましょう。〇がトータルで多くてもその機能は不要で、一つだけの×が致命的になることもあり得ます。

いずれにしても、複数の立場の人が協力して機能要件を定義していくことで、初めて最適な業務効率化ITツール選びができます。

【選び方④】ITツールを実際に導入する

「選び方なのにITツールを実際に導入する」とはつまり、試用版やトライアルを実施して実際の導入効果を測定するということです。多くの業務効率化ITツールは、その効果をユーザーに実感してもらうために、試用版やトライアルを提供しています。中には30日間無料など無償で提供するものや、低コストな導入費用にて1年という長いスパンで提供する製品もあります。

たとえばソフトバンクが提供するRPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)の「SynchRoid(シンクロイド)」は、年間契約で低コストに導入できるライトパックを提供しており、お試しやスモールスタートとして活用できるプランを用意しています。

1年以上という長いスパンを経て導入効果を実感していただいた後に、本格導入や全社適用に乗り出すという導入が可能です。

目的を持ち、課題を見える化して、機能要件を定義しても実際に導入するまではその費用対効果を100%把握することはできません。従って、実際に導入することで費用対効果を評価し、本当に自社に最適な業務効率化ITツールかどうかを確かめます。

まとめ

皆さんの会社では現在、「働き方改革」や「業務改善」に取り組んでいるでしょうか?その取り組みに業務効率化ITツールは検討されているでしょうか?単に機能比較表などで選ぶのではなく、目的と必要な機能を明確にしたうえで選択しましょう。業務効率化ITツールを導入する場合は、本稿で紹介した内容をぜひ参考にしてください。

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