企業における人件費とは?

 2018.09.10  RPAチャンネル編集部

皆さんは“人件費”について考えたことはありますか?「考えるまでもない、給料のことだろう」という意見も聞こえてきそうですが、実際に人件費とは単に給与を指す言葉ではありません。

自分に人件費がいくらかかっているのかを知ることで、仕事に対する姿勢を変えることができますし、独立を検討しているのなら尚更人件費について深い理解が必要です。

本稿ではそんな人件費について、どのような費用がかかっているかを細かくご紹介します。

企業における人件費の勘定科目

企業における人件費に関わる勘定科目は大きく分けて9つあります。細かくいえばさらにあるのですが、直接的な人件費として考えられるのが次のものです。

給与手当

従業員に対して支払われる給与および諸々の手当てを給与手当といいます。基本給はもちろん、残業手当や扶養家族手当、歩合給もこれに該当します。このほか通勤に必要な定期代金や社宅といって現物給付も給与手当に該当するので、このカテゴリだけでもたくさんの費用が関わっています。

ただし従業員の手元に残るのは源泉徴収や社会保険料などを差し引いた額になります。

賞与

賞与とはいわゆるボーナスのことです。一般的な企業なら夏と冬に年2回の賞与が設けられています。相場は給与の1ヵ月~2.5ヵ月分で、これが年2回給付されるので基本給の他に年間2ヵ月~5ヵ月分の賞与が給付されることになります。

ただし企業によっては賞与制度を設けず、そもそもの基本給を高くしているケースもあります。

雑給

雑給とは正社員以外のアルバイトやパートに支払う給与のことです。ただし、勘定科目としては確実に雑給に仕分ける必要はありません。アルバイトやパートの給与を給与手当として仕訳しても問題にならないでしょう。

アルバイトやパートであっても月給に応じて源泉徴収を行う必要があります。

専従者給与

個人事業主の事業を手伝ってくれている家族(生計を一にしている配偶者またはその他の親族)のことを青色事業専従者といいます。これに対して支払われる給与が専従者給与です。ただし家族への給与を経費として計上するためには、「国税庁が定める要件」満たしていないとなりません。

役員報酬

役員報酬とは役員に対して支払われる給与のことです。なぜ給与手当ではなく役員報酬とかというと、“全額を損金にできるか否か”に大きな違いがあるからです。従業員に支払った給与は全額損金として計上できます。損金とは収益から差し引くことができる費用のことです。つまり損金が多いほど支払うべき税金が低くなります。

一方、役員報酬は明らかに高すぎる金額を給付している場合を除いては損金に計上できますが、それも税務署が定めるところによりますので、必ずしも全額損金として計上できるわけではありません。

役員賞与

役員に給付する賞与のことを役員賞与といいます。役員賞与は原則として損金に計上することはできず、所得税や住民税のほか法人税まで課せられます。

法定福利費

企業が従業員の健康保険や厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料(いわゆる社会保険)を負担した際は法定福利費として計上します。なのでこの分も含めて人件費として考慮する必要があり、基本給の1.2倍程度が相場となります。これらは法定で定められている費用ですので、企業は社会保障の全部または一部を負担しなければなりません。

福利厚生費

福利厚生費とは法定では決まっていないものの、企業が独自に提供する福利厚生にかかる費用を指します。具体的には結婚・出産の際のお祝い金やその他の慶弔金、この他忘年会や新年会にかかった費用も含まれます。あくまで従業員のための費用ですので、個人事業主の健康診断費用は福利厚生費として認められません。

退職金

従業員が退職した際に給付するもので、従業員都合での退職の場合は勤続20年で380万円が平均※1のようです。企業が従業員に対して支払う退職金を毎月積み立てていく必要があるので、これも人件費に大きな影響を与える要素でしょう。退職金は損金として計上できますが、従業員と役員では損金として計上するタイミングが異なりますので注意が必要です。

いかがでしょうか?一口に人件費といってもこれだけで費用がかかります。このため、人件費は給与の1.5倍~2倍の費用がかかると言われています。月給手取り30万円のサラリーマンならば、毎月45万円~60万円の人件費がかかっているということです。

企業としては削減したい人件費…

従業員視点から人件費について理解すると「自分にはこんなにお金がかかっていたのか!」と、驚く面もあるかと思います。前述した人件費以外にも社員教育にかかる費用などを含めれば、月給の1.5倍~2倍以上のコストがかかっているのが現実です。一方で企業経営の視点から考えれば、人件費はできる限り抑えたい費用の一つでもあるでしょう。全体の費用構造における人件費の割合は決して小さくないはずです

かといって、簡単に削減できるものでもないのも事実です。少なくとも社員の給与は固定費となっているため、なかなか手を付けるのが難しいのです。

そこで、従業員を退職させず、給与水準も下げず、人件費を有効活用する方法があります。それが“RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)”の活用です。

RPAとは?

RPAとは日常的に発生する定型業務を自動化するためのロボットソフトウェアです。経理や総務、営業事務などを中心としたホワイトカラー業務では、人間的な判断を必要としない定型作業が多く存在します。IT社会である現代では、そうした定型作業をパソコン上で行うのが一般的であり、RPAはそうしたパソコン上の定型作業を自動化してくれるのです。

“自動化”と聞けばExcelのマクロ機能を思い起こす方も多いでしょう。マクロ機能はExcelドキュメント上の操作を記録し、それを任意のタイミングで実行させられる機能です。たとえば特定のデータを抽出してそれをグラフにまとめるような作業や、さらにPDFファイルとして出力する作業など、Excelドキュメント上で行う定型的な作業であれば大半を自動化できます。

ただしマクロ機能で自動化できるのがあくまでExcelドキュメント内の話であり、RPAはその上を行きます。たとえばマクロ機能を使用してデータをグラフとしてまとめたExcelドキュメントを自動的にPDFとして出力したり、Webアプリケーションに入力したり、さらにクラウドストレージにアップロードしたり関係者全員のメールで共有したり、パソコン上で行う作業かつルールが明確なものならば何でも自動化してしまうのです。

そのためRPAは人件費削減に大きく貢献します。たとえばRPAで開発した自動化ロボットによって1人あたり1日10分の労働時間を削ることができれば、月間で3時間以上の人件費を削減したことになります。1人あたりの削減は微々たるものでも、企業全体で考えればかなりの人件費削減効果があるでしょう。

人件費について考えよう

今まで人件費について深く考えていなかった経営者も従業員も、この機会に人件費について考えてみてください。そうすれば、企業のリソース分配も変わりますし仕事へ取り組む姿勢も変わります。企業の誰もが人件費について深く理解し考える組織は、必ず事業が成長傾向に進んでいくことでしょう。

※1「退職金の相場はいくら?平均相場や計算方法を解説」

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