働き方改革の第一歩は無駄な残業をやめること

 2018.03.16  RPAチャンネル編集部

現在多くの企業や組織が取り組むべき課題となっている「働き方改革」。同一労働同一賃金やテレワークなどいくつかの切り口がありますが、その中でも大きく取り上げられているのが残業時間の抑制でしょう。しかしながら、単に残業を減らすといっても、必要な業務まで削ってしまっては業務が回らず、業績にまで影響を与えかねません。

そこで、まずは必要な残業と無駄な残業を仕分けして、無駄な残業から削ってゆくという考え方をしないと、合理的に残業を減らしてゆくことは難しいでしょう。

では、無駄な残業とは何かから考えてみましょう。

組織の無駄な残業を排除するためには、「人員を増やす」か「仕事を減らす」かという二つの選択肢があります。人を増やすとコストがかかるため、人材不足により人件費が上昇しているため容易には増員はできないでしょう。残る選択肢は「仕事を減らす」です。しかし、単純に仕事量を減らしてしまうと組織としての収益が低下してしまうため、仕事の減らし方を考えなければいけません。

皆さんは、RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)というITソリューションをご存じでしょうか?これはホワイトカラーを中心として定型業務をロボットソフトウェアで自動化して、作業効率を上げるためのものです。

無駄な残業を減らしたり「働き方改革」を実現するために、RPAは欠かせない存在になりつつあります。

では具体的に、RPAはどう残業を減らしてくれるのでしょうか?

無駄な残業時間が生まれてしまう原因は…

欧米諸国では残業時間を多い人に対し「業務効率が悪い」「事務処理が遅い」「意思決定が遅い」など、総じて「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまいます。もちろん、仕事ができても残業時間が多いという人は存在しますが、それが一部の高収入層のみです。そもそも高収入層には「残業」という時間概念を持たないことが多いので、残業時間が多いということにもなりません。

それに対して日本の企業や組織は残業や長時間労働に大して比較的寛容で好意的に取られていました。よく議論されていることですが、日本人の働き方で残業時間が大きくなる原因はいくつか考えられます。なかでもベースとなっていることとして、労働を時間で管理するという労働基準法の大原則により、時間外労働に対しても割増賃金の支払いが義務付けられていることが挙げられます。

そのため、長く働けば働くほど給料が増えるというインセンティブと、長時間労働はがんばっている証として評価されてきた旧来の価値観が相まって、なかなか業務を効率化して早く帰ろうという意識が醸成されなかったことが要因の一つと言われています。

日本では労働階級に関係なく、残業時間が多い人は「努力している」「会社への忠誠心が高い」など、「仕事ができる人」として評価される傾向にあります。これは日本経済が急成長した高度成長期から根底に染み付いている風習なので、覆すことは難しいでしょう。

無駄な残業時間が生まれてしまうのは、こうした残業に対するそもそもの考え方に大きく起因しています。

もう一つの大きな原因は、上記の原因とつながっていますが、結果的に時間を短縮する動機が弱いため、単純作業のようなことでも効率化を後回しにしてきたことです。たとえば製造業では徹底的に無駄を排除し、生産性の向上と歩留まりの向上を追求してきました。しかしながら、定量的に計測することができない日常の業務にちりばめられた事務作業を効率化しようという取り組みはあまりなされてこなかったのではないでしょうか。

しかしながら時代は変わりました。これからはできるだけ仕事を効率化し、限られた時間をより付加価値高い仕事に振り向けていかなければいけません。そのために、まずは機械的に処理できる単純作業を効率化してはいかがでしょうか。

RPAが残業時間を減らしてくれる仕組み

そこで登場するのがRPAです。これはパソコン上で行っているような定型業務をロボットソフトウェアで自動化して、作業効率を上げるためのツールです。

RPAはまさに「無駄な」残業の抑制に効果的であると期待され、昨年から非常に注目され始めたソリューションです。その導入効果の高さから、今では多くのソフトウェアベンダーがRPA市場に参入し、続々と新製品が登場しています。ソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」」もその中の一つです。

RPAの概要は「マニュアル化されて作業手順が整えられている業務を、プログラム開発によって自動化する」というものです。「開発」といっても専門技術は必要なく、RPAが備えているGUI(グラフィカル・ユーザー・インターエース)ベースの開発画面にて作業手順を定義します。もちろん製品によって開発画面は異なるため、自社のITスキルに応じて最適なツールを選ぶことが大切です。

≪RPA活用事例≫

A社では業務委託社員受け入れ業務にあたって、入館カード発行や研修のために月1回のペースで基礎情報(名前、所属先企業等)を人事システムに入力しています。もちろん、毎月何人もの業務委託社員の情報を入力するため、その作業量は時間にして40時間です。

そこでA社では、定型作業が多いこの業務にRPAを適用しました。RPAが代行する業務は「業務委託社員の各種情報が記載されたExcelを開く」と「対象者の情報を人事システムに入力(転記)する」のたった2つです。しかしこの2つの業務の中には、次のように多数の作業が発生します。

業務委託社員の各種情報が記載されたExcelを所定のスペースにダウンロードする、Excelを開く、人事システムにログインする、データ入力ページを移動する、対象者の情報を一つ一つ人事システムに入力する、入力の都度登録を完了する、すべて入力後人事システムからログアウトする

以上のように、たった2つの業務の中にはこれだけの作業が発生します。さらに言えば、パソコンを起動するのも作業の一つです。RPAがこれらの作業のうち何を自動化するかというと、「全て」です。

これによってA社では月40時間の作業量を68%削減し、月13時間まで短縮することに成功しています。この業務にあたっていた人事担当者が月40時間の残業をしていれば、残業時間を27時間短縮したことになるでしょう。

RPAを活用して残業時間が減る理由は、RPAが業務を代行してくれることで業務量が直接的に減少し、ひいては生産性が向上するからです。A社の事例はごく一部の業務に適用しただけなので、これを組織全体に拡大していけば、さらに多くの作業量削減効果があるでしょう。

RPAと人件費、どっちが高い?

RPAに興味を持つ企業にとって最大の課題はやはり「導入費用」ではないでしょうか。効果の高いRPAを導入しても、人件費よりも高くつけば意味が無い。そう考える経営層の方は多いかと思います。そこで、ソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」を参考に、RPAの費用について解説します。

まず、「SynchRoid(シンクロイド)」の料金体系は次の通りです。

 

ベーシックパック

ライトパック

SynchRoidライセンス

10ライセンス

60万円/月

1ライセンス

90万円/年

操作マニュアル・保守サポート

RPAナレッジ(FAQ等)

導入時トレーニング(e-learning)

個別御見積

検定試験

導入支援ワークショップ

個別御見積

開発スキルトレーニング

開発エンジニア派遣

「SynchRoid(シンクロイド)」はサブスクリプション(定期契約)といって、ライセンスコストが月・年ごとに発生します。ライトパックならば年間90万円という低コストでRPAを導入いただけます。ただし1ライセンスのみの利用なので、RPAを運用してみたいというトライアル目的や、小規模事業者での導入に向いています。

ベーシックパックではライセンス数が10に増えて、月間コストは60万円になります。導入トレーニングやその他オプションは個別お見積りなので初期導入費は60万円以上になるのが一般的です。

では、「SynchRoid(シンクロイド)」のベーシックパックを導入した場合と、人件費とではどちらが高いでしょうか?一概には言えない部分もありますが、人材一人あたりの人件費は給与の1.5倍~2倍ほどかかるとされています。つまり月給30万円の人材ならば、そこにかかる人件費は月45万円~60万円です。つまり「SynchRoid(シンクロイド)」のベーシックパックの月間コストは、月給30万円の人材1人~約1.5人分ということです。

RPAと人間とでは得意とする領域が違うため単純には比較できませんが、どちらの方が低コストかというと、会社全体の定型作業を自動化できるRPAの方が費用対効果は遥かに高いでしょう。

残業を減らすためにRPAを活用

これまでは業務量の増加に応じて人員の補充で対応するということが一般的な対応だったのではないでしょうか。しかし、人材の採用は人材不足でままならず、またすでにいるメンバーの労働時間は短縮しなければいけないと、企業や組織は板挟みの状態です。

いよいよ本格的な業務効率化の時代の到来です。まずは、ルールが明確で単純な処理からRPAに任せてしまってはいかがでしょうか。RPAには残業の概念はありませんし、有給休暇も必要ありません。指定した通りに処理をしますので、人的な処理で起こりがちなミスもありません。

限られた時間を有意義に使うことこそが働き方改革の第一歩ではないでしょうか。

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