中小企業こそ効率化によって人手不足を乗り切ろう

 2018.03.01  RPAチャンネル編集部

少子高齢化に伴う労働人口減少の影響をより受けるのは、大企業よりも中小企業でしょう。資本力がある大企業では、効率良く優秀な人材を確保するための基盤が整っているため、人材格差は開くばかりです。

中小企業では今まさに、深刻な人材不足を乗り切るための取り組みが必要と言えるでしょう。皆さんの会社では人材不足に対してどういった取り組みを行っているでしょうか?

ここでは人材不足課題を解決するための施策として、RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション)をご紹介します。デジタルレイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれるRPAは、中小企業の深刻な課題にどう効果を発揮するのでしょうか。

RPAとは

ここ最近、RPAというワードをメディアで見聞きすることが多くなったように感じます。RPA元年となった2017年には大企業を中心に導入が進み、普及期に入った2018年では中小企業での導入が進むと予測されています。

その最大の理由が「低コストで高い生産性を手にできる」というRPAの特長です。

RPAはロボットソフトウェアといっても、AI(人工知能)のように自ら考え行動を起こすものではありません。開発者が定義したプログラムに従って、パソコン上の操作を自動化するものです。

RPAが自動化できる業務はホワイトカラーが中心です。マニュアル化され定型業務が多いホワイトカラーでは、単純作業による生産性が低下が問題になっています。RPAは、定型化された業務ならばいかなる業務でも代行し、作業効率と生産性を高めてくれます。

一つ、RPAを活用した事例をご紹介します。

≪RPA活用事例≫

A社では業務委託社員受け入れ業務にあたって、入館カード発行や研修のために月1回のペースで基礎情報(名前、所属先企業等)を人事システムに入力しています。もちろん、毎月何人もの業務委託社員の情報を入力するため、その作業量は時間にして40時間です。

そこでA社では、定型作業が多いこの業務にRPAを適用しました。RPAが代行する業務は「業務委託社員の各種情報が記載されたExcelを開く」と「対象者の情報を人事システムに入力(転記)する」の2つです。

この結果、A社では月40時間の作業量を68%削減し、月13時間まで短縮することに成功しています。

これがRPAの効果です。対象となる定型作業にRPAを適用すれば、人間が実行するよりも遥かに迅速なスピードで処理をこなし、作業を完了させてくれます。もちろん、RPAが業務を代行している最中も通常通りのパソコン操作が可能なので、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるというわけです。

RPAと給与30万円の社員、コストが高いのはどっち?

人材不足を解消すべく、新たに人材を確保しようという企業は多いでしょう。しかしながら、人材不足の状況では採用もままならず、人件費も上昇する傾向にあります。このような環境で、RPAと人材一人を雇用するのとでは、どちらの方が高コストでしょうか?月間給与30万円の人材と比較したいと思います。

一般的に、人件費は給与から計算して1.5倍~2倍のコストがかかると言われています。これは会社が次のような費用を負担しなければならないためです。

  • 給料(基本給以外の残業代や交通費も含む)
  • 賞与(年間ボーナス)
  • 法定福利費(健康保険、厚生年金等の社会保険料や労働保険料の会社負担部分)
  • 福利厚生費(健康診断費用など)
  • 退職年金費用(退職金の支給に備えた毎年の積立金の会社負担部分)

会社では基本給以外にも負担する部分が多いので、結果として給与の1.5倍~2倍という人件費がかかります。福利厚生が充実している会社ならそれ以上なので、ここでは「人件費は給与の2倍かかる」と仮定します。すると月間給与30万円の人材には、月間45~60万円の人件費がかかっていることになります。

さらに新規に採用するとなると、エージェントなどを利用した場合に採用にかかるコストが追加され、一層コストがかかります。

次にRPAにかかる費用を、ソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」を参考に見ていきましょう。

≪SyncRoidの料金体系≫

 

ベーシックパック

ライトパック

SynchRoidライセンス

10ライセンス

60万円/月

1ライセンス

90万円/年

操作マニュアル・保守サポート

RPAナレッジ(FAQ等)

導入時トレーニング(e-learning)

個別御見積

検定試験

導入支援ワークショップ

個別御見積

開発スキルトレーニング

開発エンジニア派遣

ベーシックバックでは10ユーザー分のライセンスが付き月間コストが60万円です。給与30万円の人材にかかる人件費と変わりません。ちなみにSynchRoidでは開発できるプログラムに制限はないので、いくらでも業務自動化ロボットを作り出せます。

ただしここで注意いただきたいのが、RPAと人材では得意とする分野が違うということです。定型業務の自動化に最適なRPAですが、人材が行うような創造的な業務はこなせません。一方で、人材が定型業務を行おうとするとコア業務に集中できなかったり、人的ミスが発生する可能性があります。

従って、どちらの方が費用対効果が高いかで考えると、やはりRPAではないでしょうか。RPAは特定業務ではなく、会社全体の定型業務に適用できるので、徐々にその範囲を広げていけば大幅に生産性アップにつながります。一部では、年間8,000時間の作業量を短縮したという事例もあります。

もう一つ、RPAの方が費用対効果が高いと言える所以が「休まない、ミスしない、辞めない」という、人材特有のリスクが無いことです。人材を確保するにあたって、その人がどういった性格や思想を持っているのか、離職する可能性はないかなどの不安はRAPにありません。

RPAはデジタルレイバーとして会社の定型業務を担い、休まずミスせず辞めずに働き続けてくれます。従って人材不足を解消するために、人材一人を確保するよりもRPAを導入した方が効果は高いと言えます。

ただし、RPAは「システム」ではなく「労働者」として捉えること

RPAをシステムとしてとらえると、「うちにはシステム担当者がいないから」と敬遠してしまうケースもあるでしょう。しかし、RPAの位置づけはシステム導入ではなく、ソフトウェアの「労働者」の採用です。そのため、通常のシステム導入に必要な要件定義や設計を含めた大掛かりな初期投資は不要で、既存のシステムはそのままで導入することが可能です。

必要なことは、普段人が行っている実際の作業プロセスをRPAに定義するための開発作業を行うことだけです。

「開発」と聞くと苦手意識を持つ方が多いでしょう。しかしRPAの開発に特別なスキルは要りません。GUI(グラフィカル・ユーザー・インター)をベースにした開発画面で、普段のパソコン操作をほとんど同じように開発を行えます。ただし、製品によっては高度な開発が必要な場合もあるのでご注意ください。ちなみにSynchRoidはGUIベースの簡単な開発画面を提供しています。

このようにRPAは「システム」ではなく「労働者」としてとらえるほうがより正しい存在です。開発によって業務内容を定義して、それを継続的に改良していくことで、普段行っている作業を正確に素早く、休みなくこなしてくれるようになるのです。

人材不足に直面している多くの中小企業にとって、RPAは一種の救世主です。採用も容易で、休む、ミスする、辞めるといった不安もありません。そしてもとからいる従業員は、そういった単純作業から解放され、より生産的な業務に専念できるのです。

RPAは、人材不足に悩むすべての中小企業におすすめできる「デジタルレイバー」なのです。

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