RPAの経理業務での活用例

 2018.03.28  RPAチャンネル編集部

ホワイトカラーとは一般的にデスクワークやそれに従事する人を指す言葉です。

RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)に関する資料などではよく「ホワイトカラー業務を中心に自動化する」といった文言を見かけるのではないでしょうか。RPAとホワイトカラーは相性がよく、RPAによる自動化の中心は経理や人事、総務といったいわゆるホワイトカラー業務という記述が多いでしょう。RPAによる自動化は繰り返し発生する定型的な業務が対象になるからです。

皆さんの会社でも、経理や人事および総務を中心にRPAを活用したいと考えてはいないでしょうか?今回はそのうちの経理業務における活用例をご紹介したいと思います。

RPAはなぜホワイトカラー業務で効果が出る?

最初の、RPAとホワイトカラーの関係についてご紹介します。近年ではホワイトカラーとブルーカラーとの境界線を明確にひくのは難しくなってきていますが、特にホワイトカラーでイメージするのは、いわゆるバックオフィス系の業務ではないでしょうか。

バックオフィスは、顧客対応などをするフロントオフィスに対して、それを支える人事や経理、総務など管理部門のことを指します。これらの業務では事務処理が中心で「ルールや手順が明確で繰り返し行われる業務が多い」というのがポイントになります。例えば経理部では仕訳作業が行われています。売上や負債などが記録されたExcel台帳を参照に、システムへデータを次々の転記していくような作業です。

こうした仕訳作業では、特定のExcel台帳を参照にデータを次々と転記していくため、ルールと手順が明確です。そのためRPAを適用しやすく、発生件数も多いので作業時間削減効果も大きく期待できるでしょう。

もう一つ、RPAがホワイトカラーに適している理由は「ユーザー部門でロボットを開発できる」という点です。たとえばソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」のように、容易な開発画面を用意した製品ならばITスキルが低い人材でも自動化ロボットを開発できます。そのため、業務ルールや手順の変更に応じて素早く改良を加えられるので、効果を最大化できるというわけです。

RPAを経理業務に適用した活用例

それでは具体的な活用例についてご紹介します。

活用例1.買掛金業務

買掛金業務の基本は、担当者が請求書情報を読んでそれを理解しシステムに情報を入力。さらに入力データの検証を行ってから総勘定元帳に転記するというものです。一見して簡単な作業ですが、データ入力にミスは許されないため精神的負担が大きく、一つのミスが大きな損失を生んでしまう業務です。

ここにRPAを適用すると「請求書情報を読む」という作業以降の作業をすべて自動化できます。取引先から送付された請求書を読むことはRPAにはできないので、そこは人間が情報を読み、スキャナーを使用してデータ化します。RPAはデータとして記録された請求書情報を持ってシステムにログインしその情報を入力します。さらにデータの検証から総勘定元帳への転記までを自動化してくれるため、全体の70%程度は作業時間が削減されるでしょう。

活用例2.経費精算業務

経費精算業務では従業員が申請を行ってから、所属長がそれを確認・承認し、さらに上長の承認を経て内部監査へと渡されていきます。ガバナンス強化やコンプライアンス維持が叫ばれる中、従業員による不正発見は重要課題の一つです。ただし、こうした業務には手間も時間もかかります。そこでRPAを活用して一部の作業を自動化すれば、高い生産性向上効果が期待できます。

具体的には、従業員が申請した経費情報をもとに不正や不適切と思わしき情報を明確に定義して、怪しい経費をあぶりだします。RPAに人工知能(AI)を組み合わせるソリューションであれば、頻度や金額などをもとに発見が容易になるでしょう。

最も時間がかかる調査や監査的なプロセスを省略することで、全体の50%は作業時間を削減できるでしょう。

≪RPAに人工知能を合わせたソリューションの一例≫

AIとRPAでメール受信から見積もり作成を自動化するデモ動画の貼り付けをお願いします。

引用:「RPAチャンネル」

活用例3.原価計算

国の「原価計算基準」が定める通り、原価計算は「企業の出資者、債権者、経営者等のために、過去の一定期間における損益ならびに期末における財政状態を財務諸表に表示するために必要な真実の原価を集計すること」という目的に従って正確性が強く求められる業務です。

たとえば製造原価を計算するためには、直接製造原価を集計し、間接費を配賦してデータを原価管理システムに入力。さらに入力データを分析して最終的に製造原価明細書などレポートとして発行します。実際にはシステム化されていますが、最終的には間接費の配賦など手作業によるところもあり、手間のかかる業務になっています。

これにRPAを適用すると、直接製造原価の集計から製造原価明細書発行まですべての業務を自動化できます。間接費の配賦などもルールを決めておけば都度計算する必要もなくなります。同時にRPAを適用することで集計ミスや計算ミス、入力ミスを排除してより信憑性の高いデータをもとに生産計画を立てていけます。

RPAが「働き方改革」にもたらすインパクト

近年、多方メディアで働き方改革に際しRPAが注目されているという話を見聞きします。繰り返しかつ膨大な定型業務が多い経理部門でも働き方改革による長時間労働の是正は注力すべきところです。

特に経理部門では、月次や四半期、年次の決算時期に業務が集中します。バックオフィスのなかでも繁閑の差が大きい部門です。これまでは決算なのだから仕方ないとあきらめていた長時間労働も是正しなければならなくなります。

業務のやり方をそのままに長時間労働を抑制しようとすれば、当然人を増やすなどの対応が必要になります。しかしながら、現在のような人手不足の状況においては簡単に人を増やすこともできないですし、またコストも莫大になってしまいます。

今後求められる働き方と、膨大な量の業務の処理を両立させるためには、徹底的な自動化による効率化が不可欠です。幸い、いまRPAというツールの登場により、経理業務の多くを占めている事務処理を自動化することが可能です。経理業務に求められるのはルールに従った処理の正確さであり、この観点からも非常にRPAによる自動化に向いているのです。

RPAを最大限に活用し、経理部門の働き方改革にもぜひ取り組んでみてください。

ホワイトカラー以外でもRPAを活用しよう

今回は経理を題材にRPAの活用例をご紹介しました。しかし、経理や人事といったホワイトカラーの業務でなくともRPAは活用できます。例えば営業にも請求書発行や契約情報入力などの事務処理や定型業務が多数存在します。これらにRPAを適用して自動化すれば、高い労働生産性をもたらし、営業コアタイム(顧客との関り)をより増やしていけるでしょう。そうすれば、利益という直接的な形でその効果が現れます。今後RPAを活用したいという企業は、その適用範囲をホワイトカラーに限定せず組織全体でのRPA活用を目指しましょう。

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