RPAツール4つの魅力 -いま欠かせないツールのポイントとは-

 2018.02.15  RPAチャンネル編集部

いま最も注目すべきIT技術の一つといえば「RPA ツール(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」でしょう。日本国内では昨年より注目が高まり、多くのメディアで取り上げられたり、大手金融業を中心に事例も発表されました。今年は引き続き昨年以上にRPAツールの市場の動向に注目が集まっています。

ソフトバンクはRPA製品である「SynchRoid(シンクロイド)」を2017年11月1日に提供開始しました。「SynchRoid」はRPAホールディングスの傘下にあたるRPAテクノロジーズ株式会社にてNo.1の販売実績を誇る、「BizRobo!(ビズロボ)」をベースに開発されています。

IT知識が少ない部門でも直感的に操作でき、かつ他製品に比べて低コストで導入できるメリットがあります。

本稿で紹介するのは、現在注目を浴びているRPAの魅力です。なぜ分野を問わず多方面からRPAが注目されているのか?どういった導入効果があるのか?気になる疑問を徹底解消していきます。

【RPAの魅力①】RPAツールはアプリケーションを超えた「作業」を自動化する

これまでも、RPAツールのようにパソコンで行う作業を自動化するツールは存在しました。身近なものでいえばExcelなどのMicrosoft Office製品に備わっているマクロです。たとえばExcelでマクロを実行すると、Officeアプリケーション内の複数手順を自動で実行してくれるので、Excelシートのデータの集計や加工作業を自動化できます。また、ブラウザ上の作業の自動化に特化したツールもあります。

こうした自動化ツールとRPAの決定的な違いは、自動化できる作業の範囲の広さという点にいきつくでしょう。そしてこのことが、これまでマクロによる効率化を限定的にしていた要因であり、同時にRPAツールに大きく期待が集まっている理由なのです。なぜなら、一つのアプリケーションの中で完結できる業務は少なく、複数のアプリケーションを横断的に利用していることが多いからです。よく使われるExcelマクロなどの自動化ツールは、Officeアプリケーション内の作業は自動化できても、それ以外の業務アプリケーションやWebアプリケーションを使用する業務プロセス全体までは自動化できません。

たとえば、Excelで集計・加工したデータを別のWeb業務アプリケーションのフォームに転記するという作業が日次で発生しているとします。この場合、Excelのマクロで自動化できる範囲は「データ集計・加工」および結果をファイルに保存したり、メールでOutlookを使用していれば関係者に通知を送信するといった範囲になります。しかし、その後のWebブラウザを起動して認証をし、適切なページを開いてフォームにデータを転記するということは基本的にできません。つまり、これまでの自動化ツールは基本的に対象としているアプリケーションが限定され、一般的には多様なアプリケーションを使用している業務プロセス全体を自動化することができないため、細切れの自動化になってしまうケースが多かったのです。

それに対してRPAツールは複数種類のアプリケーションにまたがる業務プロセス全体を自動化できるツールです。Excelでの集計・加工作業も、その集計データを別のWebアプリケーションに転記することも業務プロセス全体を通して自動化してくれます。

RPAはこのようにパソコン上で操作する定型業務全体を自動化可能なツールであるというのが大きな魅力です。

【RPAの魅力②】生産性を飛躍的に向上させ、人材難を解消する

現在多くの企業や組織が人材不足の状況であることは、各種統計にも表れてきています。経済産業省の調べでは、リーマンショック後の2008年から2009年頃を底に労働市場は改善してゆき、現在では全業種にて人材が不足している状態に入っています。

引用:経済産業省中小企業庁「中小企業の雇用環境と人手不足の現状」 

こうした人手不足の状況に追い打ちをかけるように、内閣官房が推進する「働き方改革」のなかで「長時間労働の抑制」が大きなテーマになっています。

そんな中、RPAツールを導入する目的の一つとして「人材不足への対応と長時間労働の抑制」が注目されています。単純作業を延々と長時間労働で対応している環境では、人材の採用はおろか、いまいる人材の確保すらままなりません。その結果、いまある人材の中で生産性を最大限に高めようという企業が増えているのです。

実際にRPAツールを導入して生産性が飛躍的に向上したという事例は多数あり、中には月に100時間も発生していた業務量がゼロになったというケースも存在します。

人材不足と働き方改革という課題への対応がより難しいのは、資本力のある大企業ではなく中小企業です。これらの課題は一時的なものではなく、社会構造の変化の中で起きていることであり、また働き方改革も不可逆の変化をもたらしてゆくでしょう。こうした状況で、単純作業を徹底的に効率化できるRPAは、今後の組織にとって不可欠となるツールとしても魅力を秘めています。

【RPAの魅力③】RPAは休まない、ミスが無い

RPAツールはロボットソフトウェアです。そのため24時間365日稼働することも可能であり、昼夜問わず定型業務を自動化してくれます。たとえば日次で行っているデータ集計およびシステムへの入力作業は、修行直前にRPAツールに指示すれば、明日の朝には作業が完了しているでしょう。ユーザーはその作業の分だけ時間を生まれ、コア業務により注力できます。

ユーザーによっては「RPAツールで作業ミスが発生しないか心配」という声もあるかもしれません。確かに、これまで手作業で行ってきた業務をロボットソフトウェアで完全自動化することに少なからず抵抗感があるでしょう。しかしその心配をよそに、RPAツールには「ヒューマンエラーを排除する」というメリットがあります。

人が手作業で業務プロセスを実行する以上、ミスが発生する可能性はゼロではありません。どんなに正確な作業する人でも、その日のコンディションによってミスが発生することもあるでしょう。

それに対してRPAツールはロボットソフトウェアなので、業務プロセス手順の指示さえ間違っていなければミスは発生しません。定型作業におけるヒューマンエラーは生産性を下げる大きな原因です。RPAツールはこれを排除することで、さらに生産性を飛躍的に向上させます。

当然実行時のシステム上のエラーなどは発生する可能性があるので、それはトレースできる仕組みをもって対応し、実際の処理自体はRPAに任せることにより、より人でないと難しい業務に集中することを可能にするでしょう。

【RPAの魅力④】人はより高付加価値な仕事に専念できる

RPAについてまだ深く知らない人の中には「RPAで雇用が無くなってしまうのでは?」という心配を持っている方もいます。2045年問題に代表されるように、AI(人工知能)が人を超えて、現在人が行っている業務の大半を奪うというのは古くから懸念されてきたことです。

これに対し、2017年7月に開催された「RPA Summit 2017」にて、RPA研究の第一人者と言われているLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)のレスリー・ウィルコックス教授はRPAを「人間の作業からロボット的な部分を取り除くもの」としています。そこで紹介された51の事例では、RPAが人に仕事を奪って例は一つもなく、むしろ生産性が飛躍したことでコア業務に注力し、事業拡大に成功したという事例ばかりです。

引用:IT Leaders「51の事例から見えるRPAの実像とは? RPAは、従業員の働き方をどう変えるのか」

今後AIがどのような発展を遂げて、いずれSFのような世界が訪れるかどうかは誰も予想できません。ただ少なくとも、RPAは人の仕事を取るようなロボットソフトウェアではなく、業務プロセス自動化によって生産性を飛躍させるまさに魅力的なビジネスパートナーのような存在です。

RPA導入のポイント

以上のように、RPAは現在の日本の企業や組織が置かれている状況において、まさに求められているツールであるということがお分かりいただけたと思います。

しかし、RPAはあくまでもツール(道具)であるため、使い方を間違ってしまうと期待する効果を得ることができません。よくある失敗事例から得られるポイントとしては、以下のようなものが代表的に上げられます。

実環境でテストしない

現在RPAツールは非常に多くのベンダーから提供されています。そのためすべてを試すことは物理的に現実的ではないでしょう。だからといって、機能比較の〇×表だけで決めてしまうのにはリスクがあります。たとえば実際の作業の設定をするのはユーザー部門の担当者であることが多いので、高度なITの知識がなくても扱えるかといったユーザーインターフェイスの観点や、アプリケーションの認証や通信など既存のインフラとの整合性など、使ってみないと顕在化しないポイントは意外とあるものです。かならず代表的な作業で検証を行いましょう。

ユーザーを正しく巻き込まない

RPAツールが自動化の対象とする作業はIT部門ではなく現場の担当者が熟知している作業でしょう。そのため、いったん作成した作業プロセスで変更があった場合や、新規に作りたいときにIT部門に依頼していたのでは時間がかかってしまうことも多いでしょう。RPAツールはユーザー部門の一員としてとらえ、よき同僚として招き入れてもらう体制が重要です。

一気に展開して効果を出そうとする

どのようなツールの導入でもそうですが、一気に大規模に展開するのはあまり良い方法ではありません。RPAツールも例外ではなく、まずは協力的な部門の業務で十分に試すことが重要です。ここで自社システムとの相性や運用を含めたポイントを洗い出し、ある程度型を決めてからほかの部門や業務に展開するとスムーズにいくでしょう。

ベンダーのサポート体制を考慮しない

ベンダーはツールの提供だけと割り切る考え方もありますが、RPAツールはまだ普及が始まった段階であり、そこまで成熟していないのも事実です。そのため、ベンダー自身が社内で展開しているなど、ユーザーとしてのノウハウを持っていて、それをサポートに活かしてくれる形があればベストでしょう。単にツールの機能や価格だけではなく、トータルのサポートも合わせて検討しましょう。

RPAの今後について

RPAツールにはAIの研究分野であるディープラーニングが組み込まれたものなど多数の製品が登場しています。AI技術の発展に伴ってRPAツールがさらに進化することは確かです。皆さんの職場環境ではどういった業務に多大な時間を費やしていますか?もしかすると、それを自動化し生産性を飛躍させるカギはRPAツールにあるかもしれません。

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