RPAは開発者にとってどういう存在?

 2018.07.15  RPAチャンネル編集部

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入効果に着目している方は多いでしょう。みなさんもRPAについて何かしらの興味を抱いていたり、もしかすると具体的な検討段階にあるという方もいらっしゃるかもしれません。

実際にRPAはこれまで、様々な業界で大きな成果を上げています。大手銀行各社では年間数万時間単位の労働時間削減に成功し、さらに将来的な人員削減を発表したことが話題になりました。また他の業界でも急速に導入が進んでいます。しかしながらITエンジニアの方からみると、そこまで関心が高くない人もいるかもしれません。

この理由の一つがRPAの開発方法でしょう。基本的にノンプログラミングで自動化ロボットを開発することから「面白みがない」のではないかという印象を持っているのかもしれません。しかし、ノンプログラミングだからといって、ITエンジニアが活躍できない技術とは限りません。

今回はITエンジニアの方にもRPAへ興味を抱いていただくために、RPAとITエンジニアの関わりについてご紹介します。

RPAとはどんな技術?

まずはRPAという技術についておさらいしましょう。RPAはホワイトカラー(知的労働者)のデスクワークを中心に作業を自動化するためのロボットソフトウェアです。生産工場ラインで見られる物理ロボットとは違い、サーバーやパソコン内に存在する仮想ロボットです。

RPAがどうやって自動化ロボットを開発するかというと、Excelマクロをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。Excelマクロはドキュメント内の作業を記録することで、繰り返し行われる作業を自動化できる機能です。ユーザーが操作した作業を自動的に記録し、かつ好きなタイミングで実行できます。

RPAの開発方法も基本的にはExcelマクロと同じ要領です。ユーザーが普段通りの操作をするだけで自動化ロボットがそれを記録し、必要なタイミングで自動処理が実行できるようになります。開発方法はRPA製品にもよりますが、基本的にはこのようにノンプログラミングで行えるものが多くあります。

そのためとくに開発技術を活かしているITエンジニアの方からすれば、あまり関心をもてないのかもしれません。しかし、実際のRPAはITエンジニアにとっても魅力のある技術なのです。

ITエンジニアにとってのRPAの魅力

ITエンジニアの方にとってのRPAの魅力は「基本はノンプログラミングでも、これまでの経験やノウハウを大いに活かせるところ」ではないかと思います。Excelマクロで記録した自動化処理は、より複雑な処理を実行するためにVBAという言語を使用して開発しますね。これと同じように、RPAでもより複雑な業務プロセスを自動化する場合は、ある程度開発が必要になります。基本的な操作はあらかじめツールで用意され、プログラミングは不要ですが、それ以外の処理はやはりプログラミングが必要になります。

RPAはユーザー部門主体で運用することが多いですが、必要に応じてITエンジニアが開発することでより高度な自動化ロボットを生成できるでしょう。この時点で、ほかのアプリケーションと基本的には同じだということがお分かりいただけるでしょう。

さらに、より高度なRPA活用でITエンジニアの経験や技術を発揮する場面もあります。たとえばRPAはその技術によって次の3つのカテゴリに分けられます。

RPA(Robotic Process Automatio):定型業務の自動化

現在活用されているRPAの大半がこのカテゴリに属します。日常的に繰り返し発生する定型業務をRPAで自動化し、労働時間削減を目指すというものです。Excelマクロは基本的にExcelなどのOfficeドキュメントに関わる操作しか自動化を実行できませんが、RPAの場合はWebアプリケーションなど様々なアプリケーションをまたいで自動化を実行できます。

たとえば、朝デスクに座ってパソコンを起動したら即座に勤怠管理システムにアクセスして打刻するような自動化ロボットを開発したり、クラウドストレージからのファイルダウンロードを自動化したり、様々な活用ができます。

EPA(Enhanced Process Automation):非定型業務の自動化

RPAよりも少し高度になって、画像認識や自然言語処理などAIとの連携によって非定型業務まで自動化できるカテゴリです。たとえばソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」はノンプログラミングで自動化ロボットを開発できるRPAですが、IBM Watsonと連携することで非定型業務の自動化ロボットも開発できます。

顧客から受信した発注メールの自然言語を処理して見積書を自動作成したり(デモ)、画像認識技術を使用してインターネット上から情報収集を行ったり、本来なら人手行うような自動化が可能です。

EPAでの自動化ロボット開発にはAI連携が欠かせないので、ユーザー部門だけでの開発はできません。ここではITエンジニアの経験や技術が欠かせず、面白みを感じられる分野ではないでしょうか。

CA(Cognitive Automation):高度な自律化

このカテゴリになると業務プロセスの分析や改善、意思決定まですべてロボットが実行するようになります。ただし現時点ではRPAがこの段階に到達するまでもう数年かかると言われており、実用化にまでは至っていない領域です。

将来的にAI連携が欠かせないことは確かなので、AI技術者としては力が発揮できる領域になるでしょう。

このようにRPAは3つのカテゴリに分かれていて、ERP領域はITエンジニアの方にとって積極的に挑戦していただきたいフィールドでもあります。

RPA運用はユーザー部門に任せるべきか?

ITエンジニアの方で、会社でRPA導入を検討しておりユーザー部門主体での運用を目指している場合、RPAに対して「関係ない」というスタンスだと少し危険かもしれません。というのも、いくらユーザー部門主体とはいってもITエンジニアの協力が必要なシーンもあるからです。

たとえばRPA導入初期段階での開発ルール制定に関しては、ITエンジニアの方も積極的に参加すべきでしょう。これは、自動化ロボットが乱立し管理しきれなくなるというトラブルを回避するためです。また、実際には既存の社内インフラでの動作や認証などのセキュリティなど、ITエンジニアとして支援しないといけない領域は多くあります。

RPAで開発した自動化ロボットは業務システムを操作することもできます。もしも、自動化ロボットが乱立して管理されないままのロボットが処理を実行し続けていると、その影響は様々な業務システムに及ぶでしょう。そうなるとITエンジニアの方にとってもいよいよ他人事ではなくなります。

RPAをユーザー部門主体で運用することで、開発迅速性を高めて適用範囲を素早く拡大できるのは確かです。しかし、そこには「ITシステムに関しては素人」というリスクが必ずあるため、社内でRPA導入の動きがある場合はITエンジニアの方も積極的に関わっていただきたいと思います。

前述のようにRPAは「面白みが無い」というのが誤解です。チャレンジ精神旺盛なITエンジニアの方にとって、面白みが感じられるような領域もあります。会社がRPA導入を検討しているのであれば、RPA領域への進出などを提案してみてはいかがでしょうか?

そうすれば、AIとの連携によってこれまでになかった業務自動化を会社に提供し、経験と技術を大いに使った挑戦ができるでしょう。RPA導入の際は、EPA領域も扱える製品にぜひご注目ください。

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