RPAは営業部門には関係ない?

 2018.03.19  RPAチャンネル編集部

今注目されているロボットソフトウェアを活用して定型業務を自動化するITツール「RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」。主に人事、総務、経理など間接部門での自動化効果が期待されていて、このような分野の実績も多く出てきています。では、RPAが活用できるのはこのような間接業務に限られ、営業などの直接部門には関係のないものなのでしょうか?

実は、営業などの直接部門でもRPAは活躍できる領域が意外と多くあります。本稿では、直接部門におけるRPA活用の可能性について探っていきます。

営業では意外と間接業務が多い?

営業の仕事といえば、多くの場合担当のアカウントに出向いてサービスや製品を紹介・提案して商談をつくり、最終的には契約を獲得するという役割を担っているでしょう。いわば会社のストライカー的存在と言えます。営業が無ければ売上は上がりませんし、事業は成り立ちません。こうした利益に直結する仕事を持つ部門を「直接部門」といいます。みなさんが思い浮かべる営業の方というのは、タイプも様々で、いい意味で個性や自分のスタイルが確立していたりするのではないでしょうか。ですので、RPAが目指すような定型業務の自動化による効率化というコンセプトには馴染まないのではないかと考える人も多いと思います。

そのため「営業はRPAの範疇外」と判断して、間接部門でのみ適用を検討するケースが少なくありません。しかし、よく考えると直接部門である営業にも間接業務は少なからず存在しています。

≪営業の間接業務≫

  • 見積書作成
  • 請求書作成
  • 提案書作成
  • 契約書作成
  • 納品書作成
  • 受注業務
  • 発注業務
  • セミナー案内
  • 在庫管理
  • スケジュール調整
  • 経費精算

会社によっては一部営業が行わない業務があったり、反対に上記以外の業務を営業が行う場合もあるでしょう。皆さんの会社では、営業の方の業務の範囲はどのように決められているでしょうか?

いずれにせよ、上記のような業務はRPAでほぼ自動化することができます。従って、営業という直接部門においても、高い業務自動化効果が期待できるでしょう。以下の動画は、RPAとAI(人工知能)を活用して受信したメールから自動的に見積書を作成するデモです。

RPAチャンネルトップのデモ動画貼り付けをお願いします。

引用:「RPAチャンネル」

営業でRPAを活用することのメリット

皆さんの会社の営業は、勤務時間に対してどれくらいの「営業時間」を取っているでしょうか?少し古いデータですが、多くのセールスマンは勤務時間の10%しか営業していないとも言われています。1日の勤務時間が8時間なら、営業にかける時間は48分だけです。もちろん、毎日顧客とアポイントが取れているわけではないので「平均すればそれくらいじゃないの?」という意見もあるでしょう。

参考:All About「顧客接触時間を増やす時間ダイエット」 

もちろん商材の性質や担当しているアカウントによっても異なるでしょう。しかしながら、特に直接顧客を担当している場合には、やはり顧客への訪問時間や回数を総合したフェイシングタイムが非常に重要です。

「ザイオンス効果」という心理学的法則をご存知でしょうか?これは、企業との接触回数を増やすことでそのセールスマンに好印象を持つようになるという法則です。1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱しました。

極端な例ですが、トップセールスマンはしばしば、顧客先に出向いて雑談だけして帰る、という行動をとります。しかしこれは意味のないものではなく、心理学に基づいた効果のある行動です。トップセールスマンは顧客との接触機会を増やすことで好印象を与え、次第に信頼関係を築き、顧客からダイレクトに経営課題を聞き出せるため有効な提案ができます。最終的に契約に至り、毎月何件もの業績を上げるのです。

反対に契約の取れないセールスマンは、「意味の無いことに時間を費やしたくない」として顧客との接触回数を増やそうとしません。にもかかわらず、上手いプレゼンをしようと躍起になって提案資料を作成します。しかしそれでは顧客からダイレクトに経営課題を聞き出すこともできず、それに即した提案もできないのです。

この話から言えることは、営業は顧客との接触回数に比例する形で業績が上がるということです。もちろん、ただ接触回数を増やすだけではいけません。雑談一つするにしても顧客に信頼を与えるような話し方をしたり、日頃から身なりに気を付けたりなどベースの細かい努力も大切です。そのような大前提の上で、接触回数を増やすだけで相手の信頼を勝ち得て契約が取れるようになるでしょう。

つまり、顧客を訪問して営業する時間は営業にとってのコアタイムです。その時間を増やすためには、ただの努力だけではかなわない部分もあるでしょう。そこで、RPAを活用した間接業務を自動化して、より多くのコアタイムを確保できるようすることができるのです。先にご紹介したデモ動画のように、一見非定型に見える業務もRPAや、場合によってはさらにAIを組み合わせて活用することで自動化が可能です。

確かに商材によって顧客の検討期間が長く、年間でも数件契約を取ればよいという会社もあります。ただしいま一度、本当に営業時間改善の余地はないか?と考え直してみてください。たとえば件数が少なければ、1件当たりの割合が大きくなるため、より確実に契約に結び付けなければならないですし、1件追加で獲得できれば大きな成果になるでしょう。

個人的には書類の作成を喜んで行う営業はあまり見たことがありません。このような営業にまつわる定型的な処理の自動化に成功すれば、より多くの時間を顧客のために費やすことができるようになるはずです。その結果、営業全体のパフォーマンスはきっと上がるでしょう。

営業アシスタントを雇うより、RPAの方が効果は高い

RPAの費用を比較する相手は、たいていの場合人件費です。営業の間接業務を効率化するために営業アシスタントを雇う会社もあります。アルバイトなら賃金は安く済みますし、それによってセールスマンがより多くのコアタイムを確保できれば、先述の通り業績は上がるでしょう。しかし、営業アシスタントよりもRPAの方が、多くの会社で高い効果を発揮するでしょう。

それはRPAがロボットソフトウェアであり、営業アシスタントのように人為的リスクが無いことに起因しています。

時給1,000円のアルバイトとが1日8時間、1ヵ月20日間働けば単純計算で1人あたり16万円の人件費が発生します。実際は福利厚生などを入れれば正社員ほどではないにしろ、1.2倍~1.5倍ほどの人件費がかかるでしょう。しかし、そうして確保し教育したアルバイトも、突然辞めたり無断欠勤することがあります。相対的に人為的リスクは高いと言ってよいでしょう。

それに対してRPAはロボットソフトウェアなので、「辞職」「無断欠勤」「サボり」「業務ミス」といったリスクがありません。製品ライセンスの範囲内ならロボットをいくら増やしても構いませんし、そのすべてが24時間365日働き続けてくれます。RPAは会社のデジタルレイバー(仮想知的労働者)として、営業アシスタント以上の効果を発揮してくれるでしょう。

現在、新規開拓を含めた営業に課題を感じている企業のみなさんは、この機会にRPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか?営業の業務でも、夕方会社に戻ってきて夜遅くまで事務処理をしていたりしないでしょうか?直接部門である営業でも、RPAによる業務自動化の効果は高く、多大な恩恵をもたらしてくれるはずです。そしてそれは売上にも貢献することでしょう。

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