2018年RPAの市場規模

 2018.07.12  RPAチャンネル編集部

2018年に入り、RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)がますます注目を浴びています。その導入効果に真っ先に着目したのは大手金融機関でしょう。三菱UFJ信託銀行やみずほ銀行などで、RPA活用によって数万単位の労働時間削減に成功した事例も登場しています。

なぜ金融機関においてここまでRPAは効果が高いのでしょうか?それはRPAがパソコン上の定型作業の一部または全部を自動化するため、定型的な事務処理が多い銀行などの金融機関や企業の経理部門などの間接部門で活用される例が急速に増えています。

今回はこのRPAの市場規模をご紹介すると共に、その成長性と導入効果についてお話します。

RPA市場は2021年、10倍に成長する

まずご紹介するのは調査会社ITRが2017年に実施したRPA市場に関する調査報告※1です。同報告によればRPA市場は2016年から2021年にかけて年間平均59.3%で成長し、2021年には規模が10倍に達すると予測しています。今注目のIT技術としてばAI(人工知能)ですが、それと同規模の注目度を持つのがRPAです。

では、世界のRPA市場はどうでしょうか?市場調査会社TMR(Transparency Market Research)※2によれば、2020年世界のRPA市場は50億ドル(約5,500億円)に達すると予測されています。大手経営コンサルティング会社のマッキンゼー&カンパニーによれば、今後20年あまりで世界市場で47%の雇用が自動化および機械化される見込みです。2025年までに世界で1億人以上のホワイトカラー人材がRPAに置き換えられると予測しています。

RPA市場の成長率はまさに驚異的です。CRM(顧客管理システム)の普及期と同じような成長規模があり、今後数年かけRPAは経済界全体に一気に浸透していくことでしょう。

RPA導入効果をおさらい

RPA市場がこれほどに成長しているには理由があります。ここでその理由となっているRPA導入の効果を確認していきましょう。

RPA効果①生産性を大幅に向上する

働き方改革への取り組みが注目されるなか、「生産性向上」という課題は国をあげて取り組まれています。日本の労働生産性は世界から見ても長年低い傾向にあり、主要先進7ヵ国の中で常に最下位※4です。こうした状況に危機感を抱いているのは国も企業も同じで、多方面で生産性向上のための施策が注目されています。その強力な一手として期待を集めているのがRPAです。前述した大手銀行の事例でも数万単位の労働時間を削減していることから、その効果の高さが伺えます。事業規模が小さい企業でも年間数千時間の労働時間短縮が実現でき、生産性を大幅に向上できるでしょう。

RPA効果②人的ミスを低減する

RPAが業務自動化を実現するための条件は「標準化され手順やルールが明確な業務であること」です。つまり、マニュアル化されていて繰り返し発生する業務ほど自動化しやすくなります。そうした定型業務は得てして高い集中力が必要であり、ミスが発生しやすいものでもあります。ミスの程度によっては手戻りが多くなったり重大なトラブルを引き起こすこともあるため、業務担当者はいつも神経をすり減らして作業にあたっています。RPAによってそうした定型業務を自動化すれば、人的ミスは大幅に低減するでしょう。プログラムに不具合が無い限りRPAはミスをしないので、ミスと軽減と業務担当者を重いプレッシャーから解放します。

RPA効果③長時間労働の是正

長時間労働による過労死など深刻な社会問題を受け、政府主体の働き方改革実現会議では本格的に長時間労働の是正に取り組んでいます。しかし、すべての企業がこの取り組みに対し、有効な打開策を見つけていません。業務量をそのままに残業廃止などに取り組めば、その歪は必ずどこかにしわ寄せが行きます。本質的な長時間労働の是正に取り組むためには、やはり生産性向上に先行して取り組まなければなりません。RPAによる労働生産性向上を実現すれば、長時間労働の是正に向けて打開策にもなります。

RPA効果④属人化した業務の標準化

事務処理が多い部門でよくある問題が業務が「属人化」です。属人化とは特定の人材しか業務を遂行できない状態を指します。たとえばある経理処理に対して一人しか業務にあたれないという状況では、万が一その人材が休職したり退職した際に多大な手間をかけることになり、業務内容によっては最悪の場合事業に大きなインパクトを与えます。この属人化を排除するためには業務の標準化、つまりマニュアルを作成して誰もが同じように業務を遂行できる環境を整えることが大切です。RPAのロボット開発プロセスでは、まず自動化対象となる業務の標準化から始めます。業務手順とルールを明確にした上でRPAに落とし込んでいくので、自然と属人化を排除できるというわけです。

RPA効果⑤人材不足問題の解消

今日、日本は深刻なIT人材不足という問題※5を抱えています。こうした問題の影響を直接受けるのは特に中小企業であって、資本力がある大企業には自然と優秀な人材が集まるかもしれません。そもそも日本の労働人口が減少しているという背景※6もあり、この問題はIT業界だけのものではなく経済界全体の問題です。RPAはデジタルレイバー(仮想労働者)といって、人間にかわる労働者として注目されています。海外ではRPAで開発したロボットをキャラクター化して、一人の従業員として扱っている会社もあるほどです。生産性の向上に成功すれば、人材不足問題の解消も難しくないでしょう。

以上のように絶大な効果を持つのがRPAです。そのため先述の市場成長の予測もうなずけるところです。またこの市場は当然中小企業も含まれています。組織の規模にかかわらず多くのメリットがあるのです。皆さんが抱えている経営課題は、RPAで解決できるかもしれません。

その際には、製品の選択やサポートも重要です。ソフトバンクでは自社での活用のノウハウをもとにみなさんのスムーズな導入と運用をサポートします。ぜひご相談ください。

※1 ITRがRPA市場規模推移および予測を発表

※2「RPAのビジネス「予告された混乱」ボット、急速に導入するが、小さく始めなさい」

※3「ホワイトカラーの仕事をロボットが担う 「RPA」が普及拡大」

※4「労働生産性の国際比較 2017 年版~日本の時間当たり労働生産性は 46.0 ドル(4,694 円)、OECD 加盟 35 ヵ国中 20 位~」

※5「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 ~ 報告書概要版 ~」

※6「少子高齢化で労働人口が4割減」

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