RPAの仕組みをおさらいしよう

 2018.07.22  RPAチャンネル編集部

日本は今、少子高齢化を背景に労働人口も減少してゆくという社会的な課題を抱えています。みずほ総合研究所のレポート※1によると、日本の労働人口は2065年までに現時点の4割程度に減少すると予測しています。みなさんはこの問題に対して危機感を持っていたり、対策を始めていたりするでしょうか。

減少するといってもその割合は緩やかなため身近な問題として実感しづらいという理由あり、すぐに何らかの対策を取らなければという切実さはまだないかもしれません。しかしこの問題はみなさんに無縁ではなく、考え始めなければいけない課題です。

さらに世界的に見て労働人口が減少しているのは日本を含むごく少数の国だけであり、欧米諸国の多くで労働人口は年々増加しているため、最適解が見つからないということもあります。

こうした状況に危機感を持っている経営者はすでに、労働人口減少への対策として人材確保を強化したり、ITソリューションを活用して業務効率化の実現を目指しています。その中で特に注目されているのがRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用です。

すでに多数の業界で導入が進んでいるRPA。今回はその仕組みをおさらいしたいと思います。

RPAとは?

RPAは一言で表せば「業務自動化ロボット」です。皆さんが日々行うデスクワークをロボットが代替し、業務効率化を促すIT製品になります。ただしロボットといっても実体はなく、ソフトウェアとしてサーバー内やパソコン内に存在します。

ユーザーが開発したロボットはそのプログラムに従って、手順通りにパソコン操作を処理します。そうすることでデスクワークの多くを自動化でき、その分の労働時間が削減させるというわけです。

RPAの仕組み

RPAがどういった仕組みで動作するかは製品ごとに違います。ここではソフトバンクの「SynchRoid(シンクロイド)」を参考に説明します。

SynchRoidで業務自動化ロボットを開発する際は、実際の業務画面で処理を行いつつロボットに記憶させていきます。ディスプレイでは業務画面と開発フロー画面の2つが表示されるため、開発フローを確認しつつロボットを開発できるのが特徴です。なので作業手順の改修も簡単であり、素早く業務自動化ロボットを開発できます。

開発した業務自動化ロボットはユーザー自ら実行するか、定期的に実行されるよう設定するか、特定の日時に実行されるよう設定が行えます。自動化が実行されるとロボットは決められた作業手順に従ってパソコン操作を処理していくのです。

Excelマクロとの違い

ビジネスアプリケーションの定番であるExcelには「マクロ」というRPAのような自動化の機能が備わっています。しかしマクロはExcelやOffice製品内の作業を記録して繰り返し行うための機能です。RPAとマクロの違いは「自動化を適用できる範囲」にあります。

マクロはあくまでExcelやOfficeドキュメント内の処理しか自動化できませんが、RPAの自動化範囲は複数のアプリケーションをまたぎます。たとえばExcelで集計しグラフ化したデータをPDFとして保存し、それを関係者全員にメールで送信したり、Webアプリケーションに転記したり、こうした作業をすべて自動化してくれます。

この他、クラウドストレージからのファイルダウンロードを自動化したり、見積書作成を自動化したりなど様々な活用方法があります。ソフトバンクがRPAの社内活用の経験を通して得た活用パターンは1,200通り以上です。

RPAのメリット

RPAで業務自動化ロボットを開発することでビジネスに様々な利点があることはわかりました。では、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか?

労働時間削減

RPA活用でのシンプルなメリットが労働時間削減です。多くの企業では残業時間を減らしたくても、終わりの無い業務量を前に多忙を極めるばかりです。その業務の大半はおそらく定型的に発生するものです。RPAが得意とする分野やマニュアル化され、作業手順が体系立ててまとめられた業務です。なので、RPAを活用することで労働時間が大幅に短縮し、労働時間削減に貢献します。

従業員の負担軽減

企業は働き方改革の一環として、ノー残業デーやプレミアムフライデーといって施策を展開します。これらは、従業員のプライベートに対する充実感を増加させ、仕事へのモチベーションを向上するという狙いがあります。しかし、そうした施策の多くは現状に伴っておらず結局は従業員の首を絞めていることになります。ただしRPAによって従業員の負担を軽減した上で施策を展開すれば、高い効果が期待できるでしょう。

人材リスク低減

人を雇う以上、人材リスクは常に付きまといます。具体的にはサボりや離職、時には不正といった悪質な行動に出る人もいるでしょう。一方RPAはロボットなので、休みませんし退職することもありません。不正を行うこともないので、安心して雇用できる人員であり、デジタルレイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれます。実際にRPAを本当の人材のように迎え入れている企業もあります。

材不足解消

前述のように日本は今深刻な社会問題を抱えています。各業界では人材不足が顕在化しており、これをカバーするために採用活動に力を入れている企業が多いでしょう。これがRPAを活用すれば、採用活動を行う必要もなければ無数のデジタルレイバーを開発できるため、人材不足解消の一手になります。

人件費削減

人材採用にあたって中途採用1人に対しかかる求人広告費は40万円と、マイナビの調査※2で判明しています。さらに色々な費用を加味すると中途採用には1人あたり80万~300万円の費用がかかります。もちろん、その後も給与を支払うのですから人件費はどんどん加算されていきます。RPAのライセンスは、そうした人件費よりも圧倒的に低コストな場合が多くあります。なので人件費削減にもなるのです。

まとめ

以上がRPAの概要です。ただし一口にRPAといっても様々なカテゴリがあります。定型業務を中心に自動化を行うものや、大規模かつ複雑な業務プロセスを自動化するもの、AIと連携して非定型業務まで自動化するものなど様々です。

ちなみにソフトバンクのSynchRoidは定型業務を中心に自動化しつつ、AIと連携することで非定型業務の自動化も行えます。IBM WatsonというAIと連携すれば、顧客から受信した発注メールの自然言語を読み取り、見積書を自動作成することも可能です。業務自動化ロボットの開発もユーザー独自に行えるほどシンプルなので、ユーザー部門主体で運用を進められます。

RPA導入の際は、自社にとってどんなRPAが最適か?を十分に考えた上で適切な製品を選んでください。労働人口減少が叫ばれている今だからこそ、ITの力を活用して新しい道を切り開いていきましょう。

※1「少子高齢化で労働力人口は4 割減 - みずほ総合研究所」

※2 「年間採用経費は353万円、1人当たりの求人広告費は機電系の「64万円」が最高」

RECOMMEND関連記事


RECENT POST「導入検討」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!