RPAソリューションが解決する課題とは

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)は、工場内の生産ラインでロボットが生産業務を行うのと同じように、パソコン上で発生する定型業務(ルーティンワーク)や特定の操作を自動化するためのソフトウェアロボットです。「Digital Labor(デジタルレイバー:仮想知的労働者)」とも呼ばれています。

に実質的に浸透し始めたのは2017年でしょう。まだまだこれからRPAを検討するという方も多いと思います。そこで本稿では、RPAをソリューションとして解決できる課題についてご紹介します。

RPAとは?

最初にRPAの概要について整理しておきます。

「RPAはソフトウェアロボット」と表現しましたが、一般的な機械型ロボットのように固有の実体を持っているわけではありません。RPAはパソコンやサーバーにインストールするソフトウェアであり、ロボットと同じようにあらかじめ組み込まれた処理を機械的にソフトウェアとして実行します。通常のソフトウェアは人が操作して動作するのに対し、人の代わりにほかのソフトウェアを処理するソフトウェアであるため、このような表現がされています。

たとえば「Excelドキュメントを開いてデータを集計し、それをシステムに転記する」という定型業務があるとします。RPAはファイルサーバに保存されているExcelドキュメントを自動で開き、データを集計しそれをシステムに転記するところまで自動的に処理してくれます。構造化され、プログラムによる自動化が可能な定型業務であれば、基本的にはRPAで処理を自動化することができるのです。

参考までに、RPAを導入した事例を一つご紹介します。

≪X社事例.備品発注業務の工数削減≫

X社がRPAによって自動化したのはほとんどの企業が必ず行っている「備品発注」です。主な業務手順は次のようになります。

備品発注システムにログイン>備品を検索および表示>数量を入力>カートに入れる>購入する

X社では上記手順による備品発注業務は月に10件程度発生し、業務量にして3.5時間がかかっていました。ここで「発注したい備品の検索や表示をロボットがどう行うの?」とお気づきの方もいるでしょう。確かに、人の頭の中にある「発注リスト」をロボットが理解し、発注業務を行うことは不可能です。そこでExcel管理台帳を使います。

発注したい備品とその数量は予め用意した台帳に記入し、そのデータをもとにRPAを使って備品発注を自動化します。これならば、「台帳に備品と数量を入力する」という部分だけを手作業で行った、残りはRPAでの自動化が可能です。

X社はこのRPA活用によって月3.5時間発生していた業務量を85%削減し、月0.5時間の業務量にまで抑えています。

引用:「RPAの導入事例を紹介RPAの導入事例を紹介」

RPAで解決できる課題とは

RPAで業務を自動化すると、X社事例のように大幅な工数削減効果が表れます。より高頻度であったり多くの業務や処理に適用することで、実際は月間100時間以上の工数削減に成功したケースも少なくありません。

こうした工数削減効果によって、RPAはどんな課題を解決してくれるのでしょうか?単に処理の自動化という効果ではなく、それにより解決することが可能な課題を考えてみたいと思います。

①人材不足を解消

日本は人材不足の状況にあります。すでに人口の減少が始まっている日本では、約50年後の2065年に少子高齢化の進展により労働人口が現在の6割程度の落ち込むと言われています。

参考:みずほ総合研究所「少子高齢化で労働力人口は4 割減」

多くの企業では、こうした背景のなか人材不足という課題をかかえています。業務量が増えたとしても、それに応じて人を採用して対応することが難しいのです。つまりより少ない人数でより多くの業務をこなさなければいけない状況にあるわけです。

RPAによる工数削減効果は高く、大企業の事例では年間8,000時間の削減に成功したものもあります。1日8時間に換算すると、実に1,000人日分の労働力です。特に中小企業においては人材確保がままならないケースも多く、RPAがそのような状況に対する一つの解となってくれることでしょう。

②IT投資問題を解消

ITの活用は業種や規模を問わず、いまや経営課題そのものです。しかしながら、ITの人材が不足している、新規システムの開発には多額の投資が必要になるなどの理由から、なかなかIT活用をできていない企業や組織も多いのではないでしょうか。

また、従来のシステム投資も、個別の業務領域ごとのシステム化により、それを利用したり業務としてつなぐのは人が介在するなど、システム化の恩恵を十分に受けられていないケースも散見されます。

RPAは新しいITテクノロジーでありながら、従来のシステムのように多額の投資を必要としません。さらに、業務システムではなく、それを利用する人の作業を自動化するものなので、既存のシステムに手を加えたり、あらたに業務を設計したりというプロセスも不要です。これまで人が行っていたシステム間の処理を自動化するだけです。

このため、少額の投資でありながら、これまでのIT投資をより活用して効果を発揮させることが可能になるものです。

たとえばソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」は、ライトパックならば年間90万円という費用でRPAを導入できます。1つのライセンスでRPAの処理の開発数は無制限なので、中小企業や小規模事業者ならば会社全体の定型業務を自動化することも難しくありません

さらに広範囲の適用を目指すのであれば、10ライセンス月額60万円のライトパックへグレードアップし、さらに高い工数削減効果を取入れることも可能です。

RPAは低コストの投資で、これまでのIT投資の価値を高めることができるのです。

③働き方改革問題を解消

日本のあらゆる企業や組織のテーマになっているのが「働き方改革」ではないでしょうか。同一労働同一賃金、テレワークなどさまざまなテーマがありますが、その中でも多くの企業や組織が対応を迫られているのが長時間労働の抑制でしょう。

しかしながら、プレミアムフライデーや午後7時に一斉に消灯するなどの施策は、形式的な労働時間の削減にはなっても本質的な解決にはなっていません。なぜなら、時間を削減しても仕事が減るわけではないからです。そのため、そのしわ寄せが何らかの形で出てくることでしょう。

そこで注目されているのがRPAです。様々な業務の中で意外と時間を占めているのが定型的な作業です。データの転記やレポートの作成、参照などは一定のルールに従って行っているものですが、意外と手間と時間をかけています。

このような作業を自動化することにより、業務で必要とする時間自体を削減することで、意味のある長時間労働の抑制ができるわけです。まずは無駄な作業の徹底的な排除のために、ルールに従って行う作業はソフトウェアにやってもらうという発想です。

これには副次的効果もあります。これまで多くの時間を費やしてきた定型的な作業から解放され、より人が必要な高度な判断や創造性が必要な仕事に専念できるようになります。その結果社員のモチベーションが上がり、業務の質の向上や定着率の向上など良い循環を作ってゆく起点にもなりうるでしょう。

④人件費問題を解消

RPAは単純に作業単価を引き下げます。これまで人手によって行っていた作業を、定額のライセンス費用で利用可能なソフトウェアによって行うことで、たとえば業務が集中する時期に残業で対応していたものをソフトウェアの処理で終わらせることができます。

人が残業を行えば、当然そこには時間外手当が発生し、コスト増大の要因になります。しかし、RPAでは24時間稼働が可能で、時間外手当も有給休暇も必要ありません。その分の時間で人はより付加価値の高い業務に専念できるでしょう。

まとめ

RPAは課題を解決するためのソリューションであり、それを実現するためのツールです。そのため、解決したい課題は何かということを明確にすることは非常に重要です。これがないと、ツールの導入自体が目的化してしまい、正しい効果も期待できなくなってしまいます。

事例によっては、本稿で紹介した課題以外にも解決できるものがあります。ソフトバンクで把握しているだけでもRPAには1,200通り以上の処理の自動化に関するアイディアがあり、それらの先には企業が持つ経営課題の解決につながっているはずです。皆さんも、解決すべき「課題」を意識しながらRPA導入をぜひご検討ください。

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