RPAの課題とは

 2018.07.29  RPAチャンネル編集部

2018年に入り半年以上が経過し、RPA市場は一層活発化しています。大手銀行各社は年間数万~数十万単位の労働時間削減をRPAで目指し、その他大手企業を中心に導入が進んでいます。中小企業もRPAに対しては好印象で、今後急速に導入が進むのではないかと予測されています。

そうした中で、ITシステム黎明期によく見られる「失敗事例」もいくつか報告されています。RPAによる高い効果を期待して導入したものの、様々な要因によって失敗してしまったという事例です。

今回は、今後RPAの導入を検討されている方に向けて、失敗を回避し高い効果を得られるようにRPA導入における課題についてご紹介します。

知っておくべきRPA導入課題

RPA導入にあたって導入前に知っておくべき課題は5つあります。これらを十分に理解していないと、RPAの導入失敗の陥る可能性があるので注意しましょう。

1. 「野良ロボット」の蔓延

RPAの導入課題として真っ先に挙げられるのが「野良ロボット」と呼ばれる、適切な管理がされていない自動化ロボットが蔓延することです。RPAの適用範囲が拡大していくと、それに伴って自動化ロボットの数も多くなっていきます。その際に、管理が行き届かない自動化ロボットがあると、ユーザーが意図しないところでメール送信やファイル操作などの処理を勝手に行ってしまう野良ロボットと化してしまいます。当然、企業としてその状況は好ましくないもので、全体への管理が行き届かなくなり思わぬトラブルを発生させます。

2. RPAへの不正な変更

RPAを導入することで新たなセキュリティリスクが発生する可能性もあります。特に個人情報や機密情報を扱うような業務では、データ処理の手順を少し変更するだけで情報漏えいに繋がってしまう可能性があるでしょう。従業員が自動化ロボットを開発する際のミスで処理手順がリスクになることもありますし、第三者による不正変更が発生するリスクもあります。そうしたセキュリティリスクを回避するためには、新たにセキュリティ意識を高めなければなりません。

3. ガバナンス維持

内部統制報告制度や米SOX法404条の対象企業では、RPAで既存業務を変えることで内部統制が正しく評価されない可能性があります。そうなると財務報告に関する内部統制に不備が発生することがありガバナンスを維持できない場合あります。

4. RPA推進チーム

RPA導入によって社内にいち早く浸透させるためにはRPA促進チームの存在がかかせません。RPA促進チームとは、各部署のRPA適用を支援し、ユーザー部門主体での運用を目指すためのチームです。このチームを構成するためにはRPAに必要な要素を理解して、それに適して人材を投入することが大切です。

5. 障害による業務停止

RPAの適用範囲が広がっていくと発生するリスクがシステム障害による業務停止です。たとえば、自動化ロボットを実行しているサーバーやパソコンに障害が発生すると、自動化が停止する可能性があります。この時、RPAの適用範囲が広いと大規模な業務停止に陥る可能性があります。このリスクを回避するためには耐障害性を高めることはもちろん、RPAに業務を属人化しないということも大切です。

RPAの導入課題への対策

労働時間削減効果やコスト削減効果高いRPAにもいくつかの導入課題があることは分かりました。では、それらの導入課題に対してどういった対策を立てればよいのでしょうか?

まず重要なのでRPA導入後の運用体制を整えることと、中長期的な運用計画を立てることです。RPAの中にはソフトバンクが提供する「SynchRoid(シンクロイド)」のように、開発容易性に優れユーザ部門主体で運用が可能な製品があります。しかしだからといって、管理部門が不要かというとそうではありません。

RPA導入後に適用範囲が広がっていくと、前述のように野良ロボットが蔓延しやすいフェーズに入ります。ユーザーが次々と自動化ロボットを開発しても、当人がそれを管理できなくなり意図しない処理が多く発生してしまうのです。

そのため、自動化ロボット開発にあたって明確なルールを制定し、その上で管理部門によるRPAの集中管理を行う必要があります。ただしRPA製品によってはサーバーでの集中管理ができないものもあるので注意しましょう。

セキュリティリスクを回避するための対策としては、「RPA提供業務の情報を漏らさない」ということが大切です。たとえば、ブログ運営をしている企業においてRPAでどんな業務を自動化したかを公表してしまうと、サイバー犯罪者がそれを見て攻撃を仕掛けてくるかもしれません。サイバー犯罪者からすれば、どんな業務にRPAが適用されているかが判明しているので効率良く攻撃を実行できてしまいます。こうした今までとは違ったセキュリティ意識の向上が、RPAのセキュリティリスクを回避します。

もう一つ大切な対策は「RPAに業務を属人化させないこと」です。RPAを導入することでこれまで特定の従業員に属人化していた業務を自動化できるというメリットがあります。しかし、今度はそれによってRPAに業務が属人化してしまう可能性が出てきます。この課題は日常的に意識しないものでもシステム障害が発生したときに顕在化します。

システム障害が発生してRPAが停止した場合、即座にマニュアル(人手)での業務に移行しなければなりません。しかし、RPAに業務が属人化してしまうと誰もその業務プロセスを理解できないために、業務が完全にストップしてしまいます。RPAで自動化している業務に関しても必ず作業手順を作成して、万が一システム障害が発生したときはマニュアルで業務を遂行できるようにしておきましょう。

RPAベンダーの導入支援サービスに着目しよう

RPAはごく最近導入がはじまったITソリューションです。AI(人工知能)のように開発にあたって高度な技術を要するものではありませんが、ここまでご紹介したように多くの導入課題があります。これらの導入課題に対して、企業独自に対応することは難しいでしょう。

そこで、RPAベンダーが提供する導入支援サービスに着目していただきたいと思います。

たとえばソフトバンクでは「SynchRoid(シンクロイド)」を導入するお客様に、開発スキルトレーニングや検定試験、導入支援ワークショップなどのサービスを提供しています。これらはSynchRoidをお客様の内製化を目指すために提供する導入支援サービスであり、やはりRPA運用は内製化することで高い効果を発揮するという考えに基づいています。

もちろん開発エンジニアの派遣も行っていますが、ソフトバンクが社内運用で得たノウハウを余すことなくお伝えすることで、ゆくゆくはRPA運用の内製化を図っていただきます。

このようにRPAベンダー各社は様々な導入支援サービスを提供しています。それらのサービスを活用することでRPA導入課題を解決しつつ運用へ入れるので、RPA導入を検討している場合は積極的にこれらのサービスを検討してみましょう。

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