RPAのメリットとは?

 2018.09.10  RPAチャンネル編集部

今年6月に“働き方改革関連法案(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)”が成立し、労働時間の上限規制や高度プロフェッショナル制度といった新しい法令が、来年4月から順次施行されていきます。

働き方改革といえば、実際は法案の内容だけではなく、様々な切り口での施策により2016年からワークスタイルに変革をもたらして、生産性を向上するための取り組みとして多方面で注目されています。皆さんの会社では働き方改革に向けて、有効的な施策ができているでしょうか?

本稿でご紹介するのは働き方改革の実現や、劇的な生産性向上ための施策として普及しているRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)のメリットについてです。

RPAは知っているけれど、導入することで具体的にどんな効果があるの?という疑問を持っている方はぜひ参考にしてください。

RPA5つのメリット

それではRPAのメリットを、5つのポイントに分けてご紹介します。

作業品質の向上

RPAについて簡単に説明すると、パソコン上の作業を自動化するためのロボットソフトウェアです。“自動化”と聞くとExcelのマクロ機能を思い出す方が多いでしょうが、RPAは特定のアプリケーションだけでなく複数のアプリケーションにまたいだ自動化が可能です。

RPAによって作業を自動化すれば、まず得られる効果が“作業ミス低減”です。業務プロセスを自動化すれば人間を手を使うことなく、RPAがすべて担ってくれるので人為的ミスは無くなります。

それによって作業効率と品質が向上するでしょう。そうすれば作業の成果物はより正確なものになりますし、ミスの手戻りによる手間を軽減することもできます。顧客に提出する成果物を自動化できれば、品質向上により高い顧客満足度を得られるようになります。

長時間労働の是正

安倍内閣が発足した“働き方改革実現会議”が兼ねてより推進してきたプロジェクトが“長時間労働の是正”です。いわゆるブラック企業にありがちな劣悪な労働環境改善と、大企業でも発生しやすい長時間労働による体調不良や過労死といった問題を真摯に受け止めて、時間外労働の規制に取り組んできました。

働き方改革関連法案ではこの長時間労働の是正が法令として具体化され、企業では労働時間の規制に関する取り組みが急がれています。しかし業務量を減らすことはできないので、現状として長時間労働が余儀なくされている企業は少なくありません。

RPAによる自動化は、労働時間の余裕を生み出す効果もあります。たとえばソフトバンクでRPAを運用した中には、月間単位で100時間発生する作業を100%自動化し、労働時間を大幅に削減したという事例があります。もちろんこれはあくまで一例ですので、他にも様々な労働時間削減効果があり、総合で月間1,000時間以上の削減も難しくはありません。

労働時間削減に成功すれば実質的な長時間労働の是正にもつながり、2019年の法令施行に向けて適切な労働環境を整えることも可能です。

人材リスクの低減

人を雇用する以上、離職によって教育コストが無駄になったり属人化している業務が滞ったりといったリスクは無くなりません。こうした人材リスクといかに向き合っていくかによって、事業成功の成否が分かれるでしょう。特に最近ではオフショア(新興国を発展途上国を中心として外国)への業務アウトソーシングを依頼する機会も増えており、人材が流動的な海外では人材リスクがより顕著に表れています。

こうした人材リスクを低減することはRPAの効果の一つです。RPAは仮想知的労働者(デジタルレイバー)として、企業の一端を担う存在として見られています。RPAは退職しませんし、疲労もありません。労働時間を気にする必要もないですし、働く時間も関係ありません。

RPAは人材リスクを低減しつつ企業にとって理想の労働者として働いてくれます。

人材不足の解消

日本は今慢性的な人材不足にあります。経済産業省の調査※1によると2030年のIT人材不足は約79万人に達する見込みです。さらにみずほ総合研究所が発表した資料※2によれば、2065年には労働人口が今よりも4割減少すると予測しています。

こうした人材不足問題を影響を受けて、労働時間についてコントロールし切れていないという企業も多いでしょう。前述のようにRPAはデジタルレイバーとして、業務プロセスを自動化してくれる存在です。そのため人材不足解消の一手として注目されています。

海外や日本でも先進的にRPAを活用している企業では、RPAを一人の労働者として迎えて、入社式を開催する企業があるほどです。RPAに人格はありませんが、まさにデジタルレイバーとして多方面で活躍しています。

労働生産性の向上

RPAの様々なメリットは最終的に“労働生産性の向上”につながります。日本は世界的に見て、先進国の中で常に労働生産性が低い国ですが、今後の国際競争や人材不足、働き方改革の中で生産性の向上は社会的な課題ともいえます。

市場競争の激化や顧客ニーズの多様化といった状況の変化によって、ビジネスに新しい付加価値をもたらすための取り組みが求められています。そのためには、より生産的な業務にリソースをシフトしてゆくことが必要です。

RPAを導入すればこうした労働生産性を向上するベースをつくることができます。定型的な作業から人的リソースを解放し、ビジネスに付加価値を生み出すために集中することで、競合優位性や顧客満足度を上げるための取り組み注力できます。

RPAのメリットを最大限引き出すために

RPAを導入することで、いかに多くのメリットが得られるかをご理解いただけたでしょうか?こうしたメリットにより高い導入効果があるということで、ITRの調査※3によるとRPA市場は年平均59.3%の成長率で急激に拡大することが予測されています。

ただし、RPA導入を検討している皆様に注意していただきたいことは、RPAを導入するだけではそれらのメリットを享受できないということです。

RPAの開発プロセスについて簡単に説明すると、まずは業務実態を調査した課題点を見つけ出し、自動化効果が高い業務プロセスを自動化範囲として選びます。その業務プロセスを改めてマニュアル化し、かつRPAが適用可能な範囲を考えて自動化ロボットを開発するのです。

これだけでは終わりません。自動化ロボットを開発した後は、その効果をモニタリングした上で想定した効果を発揮しているかを評価して、問題があれば改善を加えていきます。こうしたプロセスを繰り返していくことで、より高度な自動化を実現したり自動化範囲を拡大していきます。

要はRPAを導入するだけでなく、何よりもその後の運用が大切ということです。RPA運用のための体制が整っていないと導入そのものが意味を持たなくなってしまいます。そこで、RPAベンダーが提供するトレーニングに着目して製品を選んでください。

トレーニングを積極的に行っているRPAベンダーの製品を使用すれば、社内のIT人材がいなくとも自動化ロボットの開発が行え、それによって様々なメリットを享受できます。これに加えてRPAの開発難度やコストバランスも含めて検討すれば、自社にとって最適なRPAを選ぶことができるでしょう。

※1「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~」

※2「少子高齢化で労働力人口は4 割減 - みずほ総合研究所」

※3「 国内のRPA市場は2021年まで年平均59.3%と急激な成長、ITR調べ」 

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