RPAの意味とは

 2018.09.24  RPAチャンネル編集部

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、経理や総務といったいわゆるホワイトカラーが持つ定型業務を中心に、ロボット技術を用いてその一部または全部を自動化するためのソフトウェアです。

矢野経済研究所が2016年11月に発表した調査※によると、国内BPO(Business Process Outsourcing)サービス市場は約4兆円に拡大し、クラウドソーシングサービス市場は約1,000億円に達しています。後者の年平均成長率は45.4%と急激な拡大を見せており、社内の業務プロセスや特定の業務を、外部にアウトソーシングする動きが活発化していることが読み取れます。

RPAは現在こうした市場に大きなインパクトをもたらしており、社内の業務プロセスを外部に委託するのではなく内部で自動化してしまおう、という取り組みに追い風を起こしています。

今回は現在進行形で市場拡大中のRPAについて、その概要や基本をご紹介します。

RPAとは?

経理や総務といったホワイトカラー分野では、定型的に発生しかつルールや論理が定められている業務が多く存在します。こうした業務の多くは往々にしてRPAによる自動化が可能です。

どのようにして自動化するかというと、一般的には開発者がパソコン操作をRPAに記録させ、記録させた業務プロセスを実行することで自動化が実現します。

“自動化”と聞けばExcelのマクロ機能を思い起こす方も多いでしょう。マクロ機能はExcelドキュメント上の操作を記録し、それを任意のタイミングで実行させられる機能です。たとえば特定のデータを抽出してそれをグラフにまとめるような作業や、さらにPDFファイルとして出力する作業など、Excelドキュメント上で行う定型的な作業であれば大半を自動化できます。

RPAが従来のマクロと決定的に違う点は、特定のアプリケーションに限らず複数のアプリケーションやブラウザなど総合的な環境をまたいだ自動化が可能なことです。

たとえばExcelドキュメント内のデータをグラフにまとめて、それを資料としてPDFファイルで出力する。さらにその資料をクラウドストレージにアップロードしたり関係者にメールで共有したりと、RPAの自動化ならここまでできます。

だからこそ、日本企業によくある人材不足問題の解消や、働き方改革の実現に有効だと注目されています。

RPA3つのクラス

RPAはソフトウェアに搭載されている機能や、自動化適用対象になる作業の難易度に応じて3つのクラスが存在します。クラス1は指示通りの動作のみをし、クラス2とクラス3に関しては機械学習(マシンラーニング)と呼ばれるAI技術が備わっており、人間的な判断を伴う高度な作業を自動化することも可能です。

ただし、自動化適用対象が高度になるほど導入コストや運用コストはそれに比例して増していき、RPA開発の技術難度も上がります。そのため自動化したい業務範囲や判断レベル、コストバランスとの兼ね合いを考慮して適切なRPAを選ぶことが大切です。

クラス1:RPA(Robotic Process Automation:業務プロセス自動化)

基本的なRPAはパソコン上の定型作業を自動化するために用いられます。たとえば“ファイルをダウンロードする”という作業には次のような細かいプロセスがあります。

クラウドストレージへアクセス>IDとパスワードを入力>ログインボタンをクリック>特定のファイルを検索する>ファイルのダウンロードをクリック>ダウンロード先を検索>保存をクリック>閉じるをクリック

これらの作業は人間的な判断を必要とせず、RPAにプロセスを支持することで簡単に自動化できるものです。さらにダウンロードしたファイルを特定の場所に移動したり、ファイルを開封してデータを抽出したりと、そうした作業もRPAの得意分野と言えるでしょう。

複数のアプリケーションにまたがった自動化も行えるので、ホワイトカラーがパソコン上で行う定型業務のほとんどはRPAで自動化できます。

クラス2:EPA(Enhanced Process Automation:強化された業務プロセス自動化)

人間的な判断が必要な業務プロセスにおいて、RPAに機械学習と取り入れて強化したものがEPAです。たとえば自由記述式による問い合わせの内容分析など、非構造化データを扱う作業を得意分野としています。

基本としては自然言語で書かれたテキストの内容お認識し、それに応じて業務プロセスの進行を判断し自動化を実行します。たとえばソフトバンクが提供するRPAの“SynchRoid(シンクロイド)”は、“IBM Watson”と連携しクライアントから受信したメールを分析し、自動的に見積書を作成します。その「デモ」をご覧ください。

クラス3:CA(Cognitive Automation:認知の自動化)

CAは情報整理や分析、それに応じた意思決定まで行うことができる自律的なソフトウェアロボットです。開発者によって与えられた大量の情報をもとに自主的にな学習と成長を繰り返し、いわゆるディープラーニング(深栖学習)を可能にするものです。CAは往々にして高度なAIを搭載しており、状況に応じて都度適切な判断ができます。

RPAが普及するようになった背景

RPAが日本で本格的に普及を始めたのは2017年です。欧米諸国ではそれよりも少し早く普及期を迎えています。RPAが普及するようになった背景として、やはり“慢性的な人材不足”が大きく関係しています。

日本の人材不足問題は年々深刻化しており、経済産業省の調査※1によると2030年のIT人材不足は約79万人に達する見込みです。さらにみずほ総合研究所が発表した資料※2によれば、2065年には労働人口が今よりも4割減少すると予測しています。

こうした人材不足問題の直接的な影響を受けているのはやはり中小企業です。しかし業務量は変わらず存在するため、現場に大きな負担が生じて状況が悪化している、というところも少なくないでしょう。

RPAを導入することで多くの業務プロセスを自動化できますし、人材のように離職リスクや休職リスクなどはなく、開発者が実行したいタイミングで自動化を実行できます。そのためデジタルレイバー(仮想知的労働者)として、高い生産性をもたらす存在になっています。

もう一つRPAが普及するようになった背景は、金融機関を中心にRPAの導入効果が認めれるようになったことです。金融機関は特に定型作業を多く、RPAの導入効果が高いだろうという考えのもと、メガバンクを中心に数年にわたったRPAが試験的に運用されてきまいた。

その結果、年間数万時間の労働時間を短縮する事例もあり、そうした情報が流通したことで多方面からRPAが注目されるようになりました。

RPAは本当に活用できる?

RPA導入にあたって、IT人材がいない会社では高度なソフトウェアを扱えないのではないか?という心配の声がよく寄せられます。結論から言えがそれは導入するRPAによります。RPAの中にはプログラミングを必須とする高度な製品もあれば、実際の作業をRPAに記録するだけの製品もあります。後者のRPAを選択すれば、IT人材がいない企業でも業務プロセスを自動化し、高い生産性を得ることは可能です。

ただしそのためにはRPAが提供するトレーニングなどを受けて、正しい開発体制を整えることが大切です。RPA導入を検討する際は、そうしたトレーニングが充実しているベンダーに着目してみましょう。

※「国内BPO市場は2%成長で20年度に4兆円、クラウドソーシングは45%成長の有望市場」

※1「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~」

※2「少子高齢化で労働力人口は4 割減 - みずほ総合研究所」

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