RPAのリスクについても考えよう

 2018.09.10  RPAチャンネル編集部

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)について調査すると、どうしても導入効果やメリットに目がいきがちです。大手金融機関では年間数万時間の労働時間削減に成功したという事例を目にすると、自社への活用イメージに胸が躍るという気持ちも分かります。

しかし、メリットばかり意識しているとRPAの本質を見失ってしまったり、思わぬ問題によって導入や運用に失敗してしまうこともあります。そこで本稿では“RPAのリスク”について取り上げますので、RPA導入を検討している皆様にご一読いただきたいと思います。

RPAとは?

最初にそもそもRPAとはという基本から整理していきます。

顧客に製品やサービスを届けるためのプロセスの中には無数の業務があります。それらの業務を大別すると、定期的に発生し、かつルールも決まっている“定型業務”と、突発的に発生しかつ明確なルールが無い“非定型業務”に分けられます。

RPAが自動化するのは非定型業務が中心になります。その理由は、ルールが明確ならばRPAに指示を与えて自動化が可能ですし、定期的に発生する業務なら高い自動化効果が得られるからです。

では具体的にどうのようにして自動化するのでしょうか?ソフトバンクが提供する“SynchRoid(シンクロイド)”を例に挙げると、開発者が実際の作業画面をRPAに見せて、プロセスを記録することで自動化ロボットを開発します。非常にシンプルで手間もありません。

もちろんRPAによってはより高度な技術を有するものもあります。ソフトウェア開発と同様にプログラミングベースで自動化ロボットを開発するものもあり、中にはAIと連携することで一部の非定型業務を自動化できるものも存在します。

どのRPAを選ぶかは自動化を適用したい業務範囲と、会社が持つ技術リソースによって適切なものを選ぶことが大切です。

RPAのリスク

RPAには本当にたくさんのメリットがあります。労働時間を削減することで生産性を向上したり、作業ミスを無くすことで成果物の品質を向上したり。詳しいメリットについては「RPAのメリットとは?」をご覧ください。

そうしたメリットの陰にはリスクがあることも事実です。これを無視してRPA導入を進めてしまうと、想定していなかった問題によって導入や運用が失敗してしまうため、やはりリスクも含めてRPAについて深く知ることが大切です。

果たしてそのリスクとは何でしょうか?

誤作動を起こす

RPAはロボットソフトウェアですので、指示した通りに作業を実行しないといった問題は発生しません。ただし、特定の理由によってRPAが誤作動を起こす可能性があります。

まず2つ目の理由はそもそもの指示が間違っていることです。開発者が想定していない動作をRPAが行った際は、まず与えた指示が適切かどうかを確認します。自動化を実行するのはRPAですが指示を与えるのはあくまで人間ですので、人為的ミスによって指示が間違っていることがあります。

2つ目の理由はシステム構成の変化です。RPAは複数のアプリケーションをまたいだ自動化が可能なロボットソフトウェアなので、システム構成の変化に応じてRPAの実行プロセスも変化させなければなりません。

これを忘れてRPAを放置してしまうと、誤作動を起こしたり間違った作業を行ってしまう可能性があります。

業務停止の可能性

RPAはサーバーやパソコンにインストールすることで稼働します。産業ロボットと違って実体がないため導入がスムーズという反面、サーバーやパソコンに障害が発生するとRPAが影響受けて業務停止に陥る可能性があります。

具体的な例を挙げると、災害発生時に電源供給がストップしてしまうとサーバーやパソコンを起動できなくなるので、同時にRAPが稼働できなくなります。RPAで自動化している業務プロセスが多いと、対象の業務を行うことができなくなります。そのため、バックアッププロセスも検討しておくことが大切です。

不正アクセス

サイバー攻撃によって機密情報が漏えいしてしまったといったニュースを頻繁に見聞きします。これはRPAにも及ぶ可能性があるリスクです。RPAは業務プロセスの一部または全部を自動化するためのロボットソフトウェアですので、もしも第三者が不正アクセスによってRPAに侵入すれば、そこから情報漏えいに至るように自動化ロボットを改ざんすることは難しくありません。RPAについて理解している攻撃者なら尚のことです。

このリスクはサイバー攻撃によるものだけでなく、内部不正によるリスクもあります。RPAの自動化ロボットを内部から改ざんすることで、様々な問題が引き起こされる可能性もあります。

ガバナンスの低下

RPAを運用することは言葉で説明するほど簡単なものではありません。警戒すべきは自動化ロボットが乱立することでのガバナンス低下です。RPAは本来ユーザー部門主体で運用するロボットソフトウェアですので、各ユーザーが開発者になった様々な業務プロセスを自動化します。

しかし、これを中央から管理できていないと様々な自動化ロボットが乱立してしまいます。管理されていない、最適化されていない、忘れ去られている、こうした“野良ロボット”が蔓延することで様々なトラブルが発生し、会社のガバナンス低下につながってしまいます。

業務の属人化

属人化とは特定の業務プロセスが、特定に人材に依存してしまっている状況です。業務が属人化すると生産性が低下してしまったり、休職や離職によって業務が滞ってしまったりと様々な問題が発生します。

本来RPAは業務の属人化に対して有効なソフトウェアです。それは自動化ロボットを開発することで、対象業務をまず理解しマニュアル化するところから始まるためです。その一方で、“業務がRPAに属人化してしまう”というリスクもあります。

RPA運用が長期間にわたって行われるとRPAが担っている業務プロセスを実行できる人材が少なくなってしまい、万が一RPAが稼働できないという状況で業務が滞ってしまうからです。

RPAのリスクを回避するため

本稿でRPAのリスクをご紹介している理由は「RPAにはこんなリスクがあります、なのでそれを含めた導入検討をしてくださいね」と言っているのではありません。あくまでRPA導入を前向きにとらえて、導入メリットを最大限引き出すための対策を理解していただくためです。

RPA導入のリスクを理解していれば回避策を考えることができます。たとえば“業務の属人化”というリスクを回避するための対策としては、RPAで自動化ロボットを開発した業務プロセスをマニュアル化し、それを現場で活用可能な状態に管理することで万が一RPAが停止しても、人手によって業務が実行できるよう対策を取ります。

このようにRPAが持つリスクはすべて回避できます。その対策のためにコストがかかることはありますが、RPAによる労働時間削減や人件費削減といった効果を考慮すれば、然したる負担にはなりません。

なので、今後RPAを導入しようと検討している皆様には、RPAのリスクを考慮した上で十分な対策を立てて、RPAのメリットを最大限引き出せる環境を整えていただきたいと思います。ソフトバンクが提供する“SynchRoid(シンクロイド)”は、皆さんの労働生産性を劇的に向上するRPAであり、かつRPAが持つリスクを回避するためのソリューションでもあります。

ソフトバンクが実際に社内運用したノウハウをもとに皆様のRPA導入と運用を支援いたします。

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