働き方改革とAIの関係とは?

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

「シンギュラリティ(Singularity)」という言葉をご存知でしょうか?日本語で「特異点」と訳されるこの言葉は、主に数学や物理の分野で使われています。意味としては「ある基準が外れた、際立っているところ」を指します。

IT技術においてもシンギュラリティが存在します。それは、2045年にAI(人工知能)が人間の知能を上回り、従来の生活には後戻りできないほど世界が変容するという「特異点」です。「ムーアの法則」によれば半導体の集積度は18~24カ月で倍増し、チップは処理能力が倍になってさらに小型化が進むため、そこから計算するとAIが人間を超えるXデーは2045年と言われています。

参考サイト:「コトバンク ムーアの法則」

2045年にAIが本当に人間を上回るかどうかはわかりません。しかし、AIがビジネスや人に生活にぐっと近づいていることは事実です。たとえばiPhoneのSiriやWindowsのCortanaなど、消費者向け製品の中にもAIを実用化しているものも増えてきました。今後はさらに広範囲に実用化されていき、AI無くしてビジネスは成り立たなくなるときがやってくるかもしれません。

それと並行して、いまの課題として注目されているのが「働き方改革」です。こちらはいますでに直面している課題であり、社会のあり方を変える可能性があるものです。ではこの働き方改革とAI、今後の社会を変革する2つの要素はどのような関係にあるのでしょうか。

今回は、そんなAIと働き方改革の関りについてご紹介します。

 色々な働き方改革のかたち

「働き方改革」と聞くと、テレワークやフレックスタイムによる多様な働き方の導入などを想像する方が多いかと思います。これらの働き方改革はシンプルかつ明快であり、わかりやすく「働き方(ワークスタイル)の改革」だと理解できます。そのため、働き方改革というと、このような取り組みが多いのではないでしょうか。

しかし、働き方改革のかたちはそれだけではありません。他にも想像していなかったような働き方改革もあり、それを知っておくことでより効率良く生産性が高まる働き方改革が実現します。

その働き方改革こそAIを活用したものです。

たとえば全国主要都市45万戸以上の「ライオンズマンション」シリーズなどを提供する大京グループは、IBMが提供するAIシステム「IBM Watson」をベースにしたAIチャットボットを、ITヘルプデスク業務に適用しています。IBM Watsonといえば米国の人気クイズ番組に出演し、チャンピオンに圧勝したなどの経歴を持つAIです。

このIBM WatsonをベースにしたAIチャットボットがソフトバンクのソリューション「hitTO(ヒット)」であり、ITヘルプデスクに寄せられる月間1,000件~1,200件の問い合わせのうち、30%をhitTOでカバーするというのが導入の狙いです。

同社のITヘルプデスクに寄せられる問い合わせのうち、30%はFAQやマニュアルを見れば解決できるようなものだったため、ITヘルプデスクの生産性向上のために現在も活用されています。キーワード検索をベースにしたFAQの場合、キーワードが間違っていると答えにたどり着けません。しかしAIチャットボットなら、文脈や言い回しを理解し、それに応じた回答を用意してくれます。

事例参考:Future Stride「大手デベロッパーのAI導入事例 ~ITヘルプデスクにAIを活用~ 大京グループ」

大京グループではITヘルプデスクのhitTOを導入したことで、確実に生産性が向上しています。それによってITヘルプデスクは重要度がより高い問い合わせに注力でき、結果として組織全体の生産性が向上します。

AIを活用することでITヘルプデスクの仕事が変わり、組織が変わる。これも立派な働き方改革のひとつと言えるでしょう。

中小企業に最適なAI活用とは

先に紹介した大京グループの事例もそうですが、AI活用は大企業ばかりが先行しているイメージがあります。確かに、最近ニュースで流れるAI活用は国内外の先端の研究分野や、大企業が優秀な人材を集めて行うようなものばかりで、中小企業のAI活用にはまだ遠い印象があるかもしれません。

しかし、AIを活用した事例も出てきています。たとえば東京のあるラーメン店では、来店客を「おもてなし」する名目でAIを活用しています。来店客は専用アプリに自分の顔を登録すると、食券購入時、コミュニケーションロボットに自分の顔を認識させることで来店回数に応じてトッピングがサービスされます。

この事例は働き方改革にAIを活用したものではないものの、接客やサービスの一部で活用することは従業員の仕事の範囲にも影響します。このような領域から中小企業でもAI活用が着実に進んできています。ただ、AIを活用した本格的な働き方改革となると、それ相応の投資が必要です。

そこでRPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)による、業務自動化での働き方改革から始めてみるのはいかがでしょうか。

RPAとはAIのように、データにもとづいて自ら判断するロボットではなく、皆さんの指示に従って正確な作業を行うというロボットです。ちなみにロボットといってもあくまでソフトウェアなので、パソコンやサーバーにインストールして導入します。

RPA最大の特長は「パソコン上の操作をほぼ自動化できる」という点です。例えばExcelドキュメントに記載されているデータをもとに、集計や加工を行って、それを関係者全員にメールで共有するという作業が日次で発生しているとします。

RPAに指示を与えれば、自動でExcelドキュメントを開き、データを集計および加工し、保存した上で関係者全員にメールで送信してくれます。これら一連の操作はすべて自動で行われるため、ユーザーはその業務にかかっていた時間を丸々削減できるというわけです。従ってRPAは主にホワイトカラー業務を中心とした、定型作業の多い業務で活用されています。

RPAによる工数削減効果は非常に明確に現れます。まずは繰り返し行っている定型業務を自動化することで、多くの労働時間を機械的に削減できます。現在のRPAはユーザーが設定、開発した動作をそのまま行いますが、今後AI機能との融合が期待され、よりAIの活用がRPAを通じて進むでしょう。

これからの働き方改革にRPA、AIを

中小企業にとってはまだ実用段階にないAIでも、RPAなら投資額を抑え確実に成果の出る働き方改革が実現します。これは将来的なAI活用の前段階としては非常に有効です。RPAは今後AI機能が充実してくることが期待されており、自然にAIを活用した働き方改革を実現してゆける基盤になることでしょう。

皆さんも、働き方改革への取り組みはテレワークなどの働く形態だけでなく、ロボットソフトウェアや人工知能を活かした仕事の内容の改革も合わせてご検討ください。

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