生産性向上なくして働き方改革が成り立たない理由

 2018.02.16  RPAチャンネル編集部

政府が「働き方改革」を推進しはじめてから、これまで多くの企業や組織が積極的な取り組みを見せています。男性社員の育児休暇制度を設けたり、フレックスタイム制度を取り入れたりとその種類は多岐にわたります。皆さんの会社では、現在どのような働き方改革に取り組んでいるでしょうか?

働き方改革が必要となってきたのにはいくつかの背景があります。少子高齢化による労働人口の減少や、長時間労働が社会問題化したなど、労働環境に関しては多くの課題を抱えているためです。本来の働き方改革が実現すれば、労働生産性の向上も期待でき、結果として労働人口減少のなかでも経済を維持し、また長時間労働によるさまざまな問題も解決することでしょう。

しかしながら、働き方改革に取り組むすべての企業がその効果を得ているわけではないのも事実です。中には業務内容を見直さずに残業時間の規制だけを行うなど、結果として従業員の負担を高めてしまっているケースさえ見受けられます。では、正しい働き方改革とは一体何なのでしょうか?

働き方改革とは何か?

改めて働き方改革について整理しましょう。働き方改革とは、もともとは「一億総活躍社会」のコンセプトのもと、それを実現するための政府の取り組みの一つとして注目されました。一億総活躍社会とは、男性や女性、若者や老人、健康状態や家族の環境など個々に異なる状況を抱えている誰もが活躍できる社会を目指すという考え方です。それを指させるための多様な働き方を受け入れることで、誰もが活躍できる社会を目指してゆきます。

都合のいい時間に仕事ができるフレックスタイム制や、就労場所を自由に選択できるリモートワークなども働き方改革の一環だといえます。しかし、この「多様なワークスタイル」には実は落とし穴があります。

しかしながら、このような形式的な施策だけではなかなかうまくゆきません。なぜなら、これまでの業務のありかたをそのままにしているからです。働き方改革を実現するには、時間や場所に依存しなくてもスムーズに業務が行える環境の整備と、それにともなう「生産性向上」が必要だからです。そうでないと、単に労務管理上の多様性を作っただけで、企業としての成長にはつながらないからです。

リモートワークで会社に来ないであるとか、フレックスタイムや残業時間の規制によって労働時間自体を削減する方向性の中で、それに比例して業務のアウトプットも削減したのでは意味がありません。短い時間で同じか、より多くのアウトプットを出す改革が伴わなければ、結果として組織が衰退してしまうことにもなりかねないのです。

なぜ「生産性向上」が重要なのか?

このように、働き方改革には「生産性向上」が必要なのですが、もう少し詳しくその理由を考えてみましょう。

人材不足を解消するため

少子高齢化の影響もあり、多くの企業では人材不足の状況が続いています。業務量が増える中で、これまでのように新たな人材を確保することで対応することが難しくなってきており、いまいるメンバーでより多くの仕事をこなさなければならなくなっているのではないでしょうか。そのためには、業務を効率化し、労働生産性を高めることが急務です。資本力のある大企業ならば人材確保はそれほど難しくなく、優秀な人材も集まるかもしれません。それに対し、とくに中小企業においては人材確保がより難しいため、今あるリソースの中で回していかざるを得ないということが多いでしょう。さらに働き方改革による労働時間短縮に向けたプレッシャーで「生産性向上」は不可欠となっているのです。

多様なワークスタイルだけでは労働生産性が落ちる

もともと人が会社に出社して業務を遂行する理由は、ITが導入される以前は当然会社に来ないと仕事をするためのリソースにアクセスできなかったからですが、ITが普及した現在もこの働き方が続いているのは「労務管理」と「コミュニケーション」が主な理由ではないでしょうか。

しかしながら、労務管理はみなし労働時間制や変形労働時間制などの採用で自由度が増し、またコミュニケーションはチャットやWeb会議などが日常生活でも当たり前になったいま、目の前に人がいなくても違和感のないコミュニケーションを取れることが格段に多くなったと思います。

では、この二つがそろえば「働き方改革」ができるのか。それにはもう一つの要素が必要です。それが「生産性向上」です。

現在の業務プロセスがそのままで、時間や場所だけを自由にしたらどうなるでしょうか。当然労働時間自体は変わらず、メンバーの労働時間のちょっとしたズレなどでより効率は落ち、会社にいないだけで労働時間は逆に伸びてしまうかもしれません。全員が同じ時間、同じ場所にいなくても全体の業務効率が上がるような施策が伴わなければ、本来目指していたはずの働き方改革は遠いものになってしまうでしょう。

「生産性向上」をどう実現するのか

このように、働き方改革にとって「生産性向上」は切っても切り離せない関係です。では、「生産性向上」はどうやって実現すればいいのでしょうか?

まず検討すべきなのは「業務フローの改善」です。多様なワークスタイルを受け入れるにあたってこれまでの業務フローを見直し、必要に応じて新しく構築します。例えばリモートワークを取り入れる場合には、たとえば会社に来なくては処理できない紙ベースの申請を取りやめて、電子的なやり取りに置き換えるなどです。しかし、業務フローを見直しただけでは「生産性向上」に対応できない可能性もあるでしょう。

次に検討すべきは徹底的な効率化です。そのためにツールの導入と活用を検討します。働き方改革でITツールというと、グループウェアを思い浮かべる方が多いかもしれません。たしかに物理的に離れている人と仕事をする上では欠かせないメッセージツールやファイル共有、ワークフロー機能などが備わっています。グループウェアを導入してコミュニケーションを円滑にし、時間や場所にギャップがあっても労働生産性を下げないようにすることができます。

そしてもう一つ現在注目されているのが、RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)です。これは従来パソコンで行っている定型的な業務を自動化するためのツールで、書類の処理などの定型的業務を劇的に効率化します。

RPAはパソコン上の決まった操作を「自動化」するためのロボットソフトウェアであり、与えらえた指示に従って自動的にパソコンを操作します。たとえばExcelドキュメント内のデータを集計し、加工して分析可能な状態にしたものをメールやグループウェアで関係者全員に共有する作業が日次で発生しているとします。そこでRPAを導入し、自動化プログラムを開発すれば、日次の作業が完全自動化されるため、全体の生産性が大きく高まります。

仮にこの作業に1日10分を要していたならば、1日10分、1週間で50分、1か月で200分の工数削減効果が発生します。もちろんRPAで自動化できる業務は他にもたくさんあるため、1か月に1人あたり10時間以上の工数削減を行うことも可能です。

以上のように「生産性向上」を実現するための手段は、「業務フローを改善する」とともに「ツールで徹底的に効率化する」という2つがあります。多様な働き方をサポートするITインフラの活用とともに、定型的な作業を効率化するという組み合わせで働き方改革がより現実的にあるでしょう。

働き方改革に「生産性向上」を

このように、働き方改革の実現には、「生産性向上」がないと効果的な実現が難しいということがお分かりいただけたのではないでしょうか。とくに最近取り上げられている長時間労働の抑制という指標から取り組んでしまうと、結果としてビジネスにも大きな影響を出しかねません。

多様なワークスタイルとビジネスの成長を両立するためには、徹底的な効率化による「生産性向上」が不可欠な要素なのです。そのために取り組みやすいのが、多くの時間をかけている定型的な業務の効率化であり、それをサポートするのがRPAというツールです。

ぜひこのようなツールを最大限に活用して働き方改革を実現してください。

RECOMMEND関連記事


RECENT POST「市場動向」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!